山形と紅花の歴史(山形から考える)
 History of Yamagata and BENIBANA(Thinking Outside Yamagata)
 担当教員:岩田 浩太郎(IWATA Koutarou)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 山形県村山地方の歴史を学ぶ。とくに今日に至る村山地方の風土や特徴が形成されたと思われる江戸時代~明治時代に焦点をあてる。全国史とは異なる地域史の視点を学び、現代の地域活性化の諸条件を検討するうえでの地域史の意義を理解し活かせるようになる。

【授業の到達目標】
1)山形県村山地方の近世・近代史の概説を話せるようになる。【知識・理解】
2)地域史を理解し地域の風土や伝統文化を現代に活かす視点を身につける。【態度・習慣】
3)地域史の方法と意義を理解し山形県村山地方のほかの地域についてもその方法を応用して自ら調査できる。【技術】
4)日本全体の発展と地域の発展との連関や矛盾について学び、国家と地域の関係について多角的に考察できるようになる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
 学生主体型授業(アクティブラーニング▽〇🔺)、山形県、村山地方、地域史、最上紅花、養蚕製糸業、地主、農民、労働者、国家、政策、伝統文化、風土、ネットワーク

【科目の位置付け】
 山形をフィールドとして、身近な歴史事実の学習を通して山形県村山地方という地域の風土や伝統文化がどのように形成されてきたのかを学ぶ科目である。

【授業計画】
・授業の方法
1)講義形式で進める。担当教員が長年調査してきた古文書の調査研究や文化財保存・活用の取り組みについて具体的な事例を示しながら講述する。
2)最上紅花のDVDや地域での取り組みの画像などを観覧し、現場の実践を知ることを大切にしながら講義を進める。
3)講義をふまえて受講生が山形県村山地方の歴史で関心をもった事項につき調べて小レポートを作成する。受講生が自らフィールドワークをおこなう。
・日程
 主要なテーマと順序は以下の通りです。
第1回.講義の進め方とガイダンス
第2~3回.山形県村山地方の特徴と風土
第4~5回.全国と地域の関係
第6~7回.最上紅花・養蚕業など産業文化の展開
第8~9回.日本一の紅花商人
第10~11回.農業構造と階層分化
第12~13回.地域の発展と衰退の諸条件
第14回.旧家と町並みの保存活用の取り組み
第15回.授業のまとめと試験

【学習の方法】
・受講のあり方
1)毎回講義に出席し講義を集中して聴く。板書のみならず口述もノートに適宜とる。
2)講義で話す地域と建物は身近にある。受講生が自ら歩いて見学をする。
3)講義で話した事項も参考としながら小レポートで取り上げる地域のテーマを自ら選ぶ。 
・授業時間外学習へのアドバイス
「予習の方法」参考文献を事前に読み知識を得るとよい。
「復習の方法」自己のノートを読み講義の流れを理解する。欠席した回があればその回に取り上げた事項につき参考文献を読みフォローをおこなう。

【成績の評価】
・基準
期末試験では講義の大きな流れを理解しているか、【授業の到達目標】の1)~4)を達成できたかどうか、を基準とする。小レポートでは地域に即して事実を調べる態度を身につけられたかどうかを基準とする。 
・方法
平常点   20点
小レポート 20点
期末試験  60点  
上記の合計点で成績を評価する。

【テキスト・参考書】
「テキスト」なし。適宜プリントを配布する。
「参考文献」横山昭男著『街道の日本史11 最上川と羽州浜街道』(吉川弘文館、2001年)、井ヶ田良治ほか編『歴史の道・再発見』第1巻(フォーラム・A、1994年)、岩田浩太郎「豪農経営と地域編成」(『歴史学研究』第755号、2001年、『山形大学紀要(社会科学)』第32編第2号~第34編第1号、2002~2003年)、同「山形城下町商人長谷川吉郎治家における紅花取引の実態」(『山形大学大学院社会文化システム研究科紀要』創刊号、2005年)、同「山形長谷川家の商業活動」(『山形大学歴史・地理・人類学論集』第9号、2008年)、同「河北地方の地主制の発達と農民」(『河北の歴史と文化』第5号、2009年)、同『村田商人の歴史像』(2014年)、同ほか編『村田紅花商人文書』(2015年)、同『柏倉家ものがたり』(2016年)。

【その他】
・学生へのメッセージ
 地域の日常のなかに大切にすべき事柄が潜んでいる。それを認識できないのはわたしたちの側の問題なのではないだろうか。人は社会関係のなかで育つ。地域の人々と交流することは様々な刺激を与えてくれるはずである。
・オフィス・アワー
月曜の正午から13時まで 岩田研究室(人文社会科学部2号館3階)
連絡先:iwata@human.kj.yamagata-u.ac.jp 事前にメールでアポイントメントをとること。

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