【授業の目的】
草津白根山や御嶽山の噴火は記憶に新しいですが、日本はこのような活火山を多数抱える世界有数の火山国です。山形や東北地方にも蔵王山、鳥海山を代表として活火山がたくさんあります。火山はひとたび噴火を起こせば災害をもたらします。この講義では、世界の火山の分布、型、噴火様式、噴出物など火山についての基本的な知識を修得した上で、山形の身近な火山の噴火の歴史、また噴火災害について考えます。蔵王山の現地観察も含みます。
【授業の到達目標】
1)火山、噴火とはどんなものか?具体的事例を基に知識を身につけます。 2)身近な火山の噴火の歴史の知識を身につけます。 3)身近な火山の噴火災害や火山との共生についての知見を身につけます。
【授業概要(キーワード)】
山形、火山、蔵王山、鳥海山、噴火、マグマ、噴火シナリオ、噴火災害予測、学生主体型授業(アクティブラーニング▽▼□■)
【科目の位置付け】
世界の火山を視野に入れて、火山全般に関する知識を習得し、山形の身近な火山を題材に噴火の特徴や災害について学びます。これによって,自然との共生について理解を深め、また、各種社会情報に対する批判的思考も養い、人間力の向上に寄与します。
【授業計画】
・授業の方法
各回のテーマに関してパワーポイントや視聴覚教材を用いて説明を行います。パワーポイントのシートは印刷して配布します。また、知識を深めるために演習を行います。学生主体型の演習も取り入れます。
・日程
第1回 講義の進め方とガイダンス及び蔵王山について 第2~5回 蔵王山の現地観察 第6回 噴火の実例:演習 第7回 火山の分布と型 第8回 噴火のタイプと噴出物の種類:演習 第9回 ハザードマップ、噴火シナリオ、山形や東北の火山の噴火の頻度:演習 第10回 世界の巨大噴火:演習 第11回 吾妻山、蔵王山 第12回 鳥海山、その他の火山 第13回 火山との共生 第14回 火山との共生:演習 第15回 まとめと到達度評価
【学習の方法】
・受講のあり方
1)パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配布しますので、授業中に補足し、またファイルにまとめて内容の理解に努めてください。 2)蔵王山に観察に行きます。10/12土曜日を予定していますので、この日に参加できる人のみ登録してください。 3)室内での演習を課します(5回ほど)。
・授業時間外学習へのアドバイス
次回のテーマについて参考書などで該当する箇所を読んでおくと良いでしょう。また、その日に配られたプリントを整理し、また、専用のファイルなどまとめておくと良いでしょう。
【成績の評価】
・基準
1)講義で解説する火山についての基礎的な知識を身につけ、2)山形や東北の身近な火山の噴火の歴史や災害について正しく理解できるようになること、さらに 3)身につけた知識を基に、火山と人間との共生について科学的に考えられるようになることが合格の基準です。
・方法
到達目標 1)-3)への到達度を、提出されたレポートの内容と期末試験で評価します。レポート60%、試験40%で評価します。6回ほど実施する演習のレポートについては、各回の点数の重みは同じです。
【テキスト・参考書】
テキスト:適宜プリントを配布します。 参考書:伴・及川・山崎「蔵王火山地質図」産総研 2015、中村一明「火山の話」岩波新書 1978、横山・荒牧・中村(編)「火山」岩波書店 1992、中村・松田・守屋「火山と地震の国」岩波書店 1995、下鶴・荒牧・井田(編)「火山の事典」教文堂 1995、宇井忠英(編)「火山噴火と災害」東大出版会 1997、高橋正樹「破局噴火」祥伝社 2008、小山真人「富士山噴火とハザードマップ」古今書院 2009、ハンス‐ウルリッヒ シュミンケ「火山学」古今書院 2010、山と渓谷社「ドキュメント御嶽山大噴火」2014
【その他】
・学生へのメッセージ
1)山形には多数の火山があります。日頃から気に留めておくと良いでしょう。 2)配布物はその日のうちに専用のファイルなどにまとめておくこと。
・オフィス・アワー
月曜日16:10~17:00(理学部4号館5階C504伴研究室)。その他の時間も可能性がありますので相談してください。
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