食品毒と栄養生理(生物科学)
 Food toxin and Nutritional Physiology (Biological Sciences)
 担当教員:小酒井 貴晴(KOZAKAI Takaharu)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義(一般・発展)
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
食品や食品の調理工程で発生する有毒物質を理解した上で、それらの毒性作用の発症機序を理解する。さらに、有毒物質からの被害を回避するための食品衛生対策および法規則について理解することで、集団的な食中毒対策などの基礎を理解する。

【授業の到達目標】
食品に関連する毒素の種類やそれらに対する生理メカニズムを理解することで、健康的で安全な食生活を過ごしたり、食品衛生対策を考えられるようになることを目標とする。そのために、1)食品中の有毒物質を分類できる。2)食中毒の原因となる微生物および毒素を指摘できる。3)それらの毒性作用機序を生理学・薬理学的に理解できる。4)有毒物質からの被害を回避するための食品衛生対策および法規則について述べることができる。

【授業概要(キーワード)】
生理学、薬理学、食中毒、食品加工、衛生

【科目の位置付け】
この授業は、食品毒と生理学に関する知識を習得する、応用的な学問分野であり、健全な批判精神と科学的理論に裏付けられた幅広い知識を習得するものである。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントによる講義で授業中に板書しながら、知識の習得を目指す。解説と板書を交互に行い、理解度を深める。一定間隔の小テストと確認レポートを課しながら、期末試験で総まとめを確認する。予定は未定ではあるが、単元に関係する外部講師(研究・開発者)による最新事情を紹介してもらう場合もある。
・日程
第1回 ガイダンスと衛生学の概略 
第2回 微生物:食品中に繁殖する微生物について学習する。
第3〜5回 食品の変性:食品の変性やその防止法を学習する。
第6〜8回 微生物による食中毒:発症のメカニズムを学習する。
第9回 人畜共通感染症:ズーノーシスの種類やタイプを学習する。
第10回 寄生虫:寄生虫の種類、発生機序とその防止法を学習する。
第11〜13回 自然毒による食中毒:自然毒の種類、毒性の作用機序とその防止法を学習する。細胞膜受容体や細胞内機序をわかりやすく解説する。
第14回 筆記試験と解説
第15回 総合復習

【学習の方法】
・受講のあり方
知識を頭に入れるのではなく、答えがないかもしれない課題に対して、知的好奇心と向上心を持って、前向きに思考する姿勢を持ってほしい。スマホやタブレットなどのカメラによる板書の撮影は禁止します。授業の動画撮影や録音も禁止します。ノートまたは電子ノートに自分の手書きで記入してください。また、自分のノートは小テスト時に持ち込んでも構いません。
・授業時間外学習へのアドバイス
資料を入手して、必要な知識やスキルに関する学習を自主的に進めること。確認レポートや筆記試験に備えて、よりよい自分のノートを作成するように心がけましょう。

【成績の評価】
・基準
食品中の有毒物質、微生物および毒素を理解しているか、また、それらの毒性作用機序を説明でき、被害を回避するための食品衛生対策(自分たちの食生活)を考えられるかどうかを、合格の基準とします。
・方法
学期末の筆記試験を50点満点とし、数回の小テストやレポートを50点とする。小テストはノートのみ持ち込み可能で、確認レポートは自分で調査した上で記述してください。一方、期末試験はノート持ち込みを不可とする。著しく欠席や授業態度が悪いものは減点する。

【テキスト・参考書】
テキストは特に指定しておりません。授業ノートを中心に、各自で予習・復習してください。参考書は授業内で適時お伝えします。

【その他】
・学生へのメッセージ
知的好奇心を持って受講すれば、様々な生物現象がより身近に感じられるようになり、さらなる向学心を生み出すと思います。1年生にとっては、一人暮らしの食生活での注意点などを理解できるように心がけたいと思います。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は小酒井研究室(地教1号館3階,305号室)において、火曜日と金曜日のお昼休み(12時15分〜50分)に設けます。

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