【授業の目的】
視聴覚教材を用いながら病弱児に代表される疾患及び近年増加しているこころの病気について説明する。その上で、特別支援学校(関連する社会福祉施設を含む)の見学を通し、「個別の指導計画」の作成や実際の指導に関する概略と特徴を理解する。
【授業の到達目標】
本講義では病弱領域における疾患(障害)の特徴の理解と支援方法に関する基礎理論を学ぶこととし、以下の2点を到達目標とする。 1.病弱児の疾患(障害)特性と臨床像、心理特性について理解を深めることができるようになる 2.原疾患(障害)を理解した上での支援方法を検討し、「個別の指導計画」を作成する/作成のための基礎知識を修得することができるようになる
【授業概要(キーワード)】
病弱(病気療養)児 個別の指導計画 疾患(障害)理解 特別支援教育
【科目の位置付け】
特別支援教育専修免許状(特に病弱領域)の取得及び当該領域の専門性を高めるための知識と指導方法の修得を目指す。
【授業計画】
・授業の方法
①授業ごとに資料を配布(WEBクラス掲載)する ②視聴覚教材を活用した講義、特別支援学校や施設の見学を行う ③事例検討、グループディスカッションを合わせながら臨床像の理解と指導計画を立案する
・日程
1.病弱児の特徴の理解①;代表的疾患の特徴と理解(1) 2.病弱児の特徴の理解②;代表的疾患の特徴と理解(2) 3.病弱児の特徴の理解③;遺伝性疾患の特徴と理解 4.病弱児の特徴の理解④;こころの病気の特徴と理解 5.病弱児の特徴の理解⑤;特別支援学校における病弱教育の現状 6.病弱児の特徴の理解⑥;特別支援学級及び通常学級における病弱教育の現状 7.病弱児の特徴の理解⑦;疾患(障害)特性と心理特性の把握 8.病弱教育の現状理解①;障害児施設(または病院)見学 9.病弱教育の現状理解②;病弱児に関連する法規(通知)・職種間連携 10.病弱児に対する支援方法の検討①;実態把握と「個別の指導計画」の作成方法 11.病弱児に対する支援方法の検討②;「個別の指導計画」の作成と他職種との連携 12.病弱児に対する支援方法の検討③;「個別の指導計画」に基づいた授業の立案と疾患(障害)特性への配慮 13.病弱児に対する支援方法の検討④;卒後と進路指導 14.受講者による病弱児の理解と指導に関するプレゼンテーション 15.総括
【学習の方法】
・受講のあり方
①WEBクラスに示す参考資料を基に、ポイントとなる部分や関連領域の資料を検索、整理する ②学習指導要領(小又は中学校及び特別支援学校)と2013年10月に発表された就学支援資料、2010年以降に出された文部科学省・厚生労働省からの通知や事務連絡を熟読する
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容だけではなく、他の領域(視聴覚・知的・肢体不自由)における指導方法や臨床像を踏まえて病弱児の理解や指導(支援)方法を考える。
【成績の評価】
・基準
<現職教員院生> 病弱児の障害特性を理解した支援方法を考慮しながら、個別の指導計画の作成ができる。 <学部卒院生> 病弱児に関する基礎的事項を理解し、個別の指導計画作成の基礎を身につけることができる。
・方法
以下の観点に基づき、レポート(60%)及びプレゼンテーション等(40%)をふまえて総合的な評価を行う。 ①病弱児特有の疾患やこころの病気に対する理解に対する理解がなされているか ②病弱児に対する臨床像の把握や心理的ケア、指導(支援)の方法が理解されているか ③「個別の指導計画」の作成にあたって、その意図やプロセス、児童生徒への配慮事項が理解できているか
【テキスト・参考書】
①テキストは使用しない ②参考図書(下記以外は講義中に適宜紹介する) ・病気の子どもの理解のために(国立特別支援教育総合研究所):WEBダウンロード可 ・病弱・虚弱児の医療・療育・教育改訂3版(金芳堂):宮本・土橋編(ISBN;9784765316279)
【その他】
・学生へのメッセージ
入院中の児童生徒に対する教育保障体制や遠隔教育(同時双方向型授業配信)等、近年の病弱(病気療養)児を取り巻く新たな教育環境(形態)についても情報収集しながら授業に参加してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を設定します。日時等は初回の授業の際に具体的に指示します。
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