【授業の目的】
熱力学は自然科学の一部門として重要な学問であり,熱機関の進歩発展と相まって発達した学問である.熱エネルギーを取り扱うだけに,この学問を応用して直接にわれわれの現代生活に貢献する発電所,自動車,エアコン等各種の熱機関を産み出してきた.本講義によって,学部における熱力学の講義で身に着けた基礎知識を整理するとともに,さらに,機械エンジニアとしての専門知識を養成する.具体的には,ました。まず,学部における「基礎熱力学及び演習」および「工業熱力学」で学んだ熱力学第一法則,熱力学第二法則,理想気体の状態変化,サイクルなどを復習する.同様に,伝熱学についても「伝熱工学」の講義で身に着けた,熱伝導,熱伝達,輻射伝熱を復習する.その後,この基礎知識をもとに,工業熱力学より踏み込んだ形で,熱機関および熱機器について、その熱的設計も含め知識と理解を深めることが目的である.
【授業の到達目標】
目標1:理想気体の状態変化 目標2:熱伝導・熱伝達・輻射伝熱 目標3:ボイラ,蒸気輸送・貯蔵装置,蒸気原動機・内燃機関・ガスタービン 目標4:熱交換器・熱回収装置 目標5:冷凍・空気調和設備 これら5項目を理解し,基本的な熱的設計が行えるように工学的専門知識を養成する.
【授業概要(キーワード)】
熱力学第1・第2法則,熱機関,熱伝導・熱伝達・輻射,熱交換器,冷凍・空気調和
【科目の位置付け】
熱力学はエネルギーを取り扱う基礎学問であり,機械システム工学を学ぶ学生の中心的科目である.本講義は,工業熱力学を伝熱工学の知識で補完することで,実際の内燃機関,外燃機関,冷凍空調機器を熱的設計の観点からより深く理解するものである.
【授業計画】
・授業の方法
毎週学生に簡単な課題を課す.講義は,その課題の解答を進めながら,専門用語の説明や現在のボイラ,蒸気輸送,蒸気原動機,内燃機関,ガスタービン,熱交換器,冷凍・空気調和設備等の課題とそのための熱的設計について説明を行う.
・日程
第01-02週:熱力学の基礎① 第03-04週:伝熱学の基礎① 第05-06週:熱力学の基礎② 第07週 :伝熱学の基礎② 第08週 :中間試験および解答 第09-10週:ボイラ,蒸気輸送・貯蔵装置,蒸気原動機・内燃機関・ガスタービン 第11-12週:熱交換器・熱回収装置 第13-14週:冷凍・空気調和設備 第15週 :授業まとめ及び期末試験
熱機関が実際に稼働する際に必ず関わってくる伝熱現象を考慮に入れながら,熱力学問題の実際の応用を学ぶ.
【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席し,講義の中で何が大事なポイントなのか自分で考え,疑問点は積極的に質問すること. 毎回予習課題を課す.講義はその予習課題の解答を行いながら,専門技術用語の説明を補足し行うので,自主的に取り組むこと.
・授業時間外学習へのアドバイス
予習課題を自主的に解き,不明な点を明らかにしておく.予習課題の出来不出来自体は成績評価とはしない. 前回までの講義内容を理解しておくこと.自分なりに授業ノートを整理し,疑問点があったら調べたり,質問をする.
【成績の評価】
・基準
評価基準は,授業の到達目標 1~5に対して,計100%を20%ずつ配分し,この内容に関連して,計算が行える,熱的設計が行える,熱機器の課題やその対策に対して技術者としての見解を述べることが出来ることを評価の基準とする. 具体的には,課題の提出(30点),中間試験(30点),期末試験(40点)の結果を総合して60点以上を合格とする.
・方法
・課題への取組み内容(自主的な予習)について評価する. ・中間試験,期末試験を行い,成績の評価(基準)に従い評価を行う. 具体的には,課題の提出(30点),中間試験(30点),期末試験(40点)の結果を総合して60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
事前のテキストとして個別に指定するものはありませんが,必要に応じて印刷した資料を配布する. 参考書として,学部での講義の際に使用したテキストを推薦する. その他 2019年版 エネルギー管理士熱分野過去問題集 オーム社編
【その他】
・学生へのメッセージ
学部で学んだ熱力学の知識を確かなものにする.また、熱力学で使用される専門英語を覚える.学部において,「基礎熱力学及び演習」,「工業熱力学」,「伝熱工学」を履修していることが望ましい.
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を安原研究室(7号館109号室)において,授業終了後17:00~18:00の間に設けます. なお,会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は,初回の授業でお知らせいたします.
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