【授業の目的】
化学的事象を理解するためには、様々な観点からの分析を適切に行うことが重要である。本講義では、電気化学分析、電子物性分析、極微分光分析を中心とした分析手法および関連する最先端研究を理解することを目的とする。
【授業の到達目標】
機器を用いた化学的分析は研究を進める上で必要不可欠なツールである。しかしながら、単なるツールとしてだけ捉えると、データ解析に際し誤りをおかしてしまうことがある。これを避けるには、その分析の背景・原理を正しく理解することが重要である。その中で、本講義においては電気化学分析、電子物性分析、極微分光分析など、多くの研究に利用される重要な分析手法を研究目的等と関連付けることができることを目標とする[知識・理解]。また、関連分野の論文などを活用し、その分析手法の応用例に関して述べることができるようになることも目的とする[態度・習慣]。
【授業概要(キーワード)】
電気化学分析、電子物性分析、極微分光分析
【科目の位置付け】
この講義は、研究の背景と意義を説明するための専門的知識および技能を体系的に修得するものである(ディプロマポリシー2)。
【授業計画】
・授業の方法
電気化学分析、電子物性分析、極微分光分析等に関する教科書や学術論文を題材に、先端的分析手法を説明します。
・日程
第1回目:電気化学分析(1)電気化学測定法の概略 第2回目:電気化学分析(2)拡散律速における電気化学応答 第3回目:電気化学分析(3)化学反応を伴う場合の電気化学応答 第4回目:電気化学分析(4)微小電極を利用した電気化学測定 第5回目:電気化学分析(5)機能性薄膜を用いた電気化学測定 第6回目:電子物性分析(1)先端分析機器を支える半導体素子 第7回目:電子物性分析(2)半導体の基礎 第8回目:電子物性分析(3)固体中の電子の振る舞い 第9回目:電子物性分析(4)簡単なバンド理論 第10回目:電子物性分析(5)半導体デバイス概論 第11回目:極微分光分析(1)共鳴分光分析 第12回目:極微分光分析(2)表面増強分光分析(1) 第13回目:極微分光分析(3)表面増強分光分析(2) 第14回目:極微分光分析(4)単一粒子分光分析 第15回目:極微分光分析(5)触媒と極微分光分析
【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントおよび配布資料で示される講義内容を教科書・ノート筆記して内容の理解に努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布資料・ノート・参考資料等を参照しながら、演習等で課せられた課題に各自で取り組むこと。
【成績の評価】
・基準
電気化学分析、電子物性分析、極微分光分析などの分析手法について適切に説明できることを合格の基準とする。
・方法
講義中に課せられたレポート形式の課題を100点満点で評価する。
【テキスト・参考書】
各回の担当教員が使用するスライド、プリントなどを資料として配布し、都度、テキストや参考書などを紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
分析機器や情報処理システムの機能向上に伴い、今では分析手法の原理や中身を理解していなくともデータを得ることが出来ます。ただ、そのデータが意味するところを正しくかつ最大限に理解するためには、分析の原理を理解することが非常に重要となります。是非とも各種最先端分析手法の原理から理解することを目指してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問に答える「オフィス・アワー」は担当教員居室(鵜浦:理学部1号館324号室、松井:理学部1号館224号室、並河:理学部1号館321号室)において、原則、昼休み12時30分~12時50分としますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。会議・出張等で不在にすることもあるため、各日に面談したい場合は事前に口頭または電子メールにて事前に予約することをお願いします。
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