【授業の目的】
英語統語論・意味論・機能論の各論。 英語の諸構文の研究におけるカレント・イシューズを取り上げ、考察及び批判的検討を行ってゆく。対象は、英語学特論ⅠおよびⅡとのつながりから、形式統語論のみならず意味論・機能論もカバーする場合があるが、これらの研究分野における研究成果(論文)を読み検討を行うことを通して、問題点の所在から研究の方向性までを整理し研究動向を掴むことを目的とする。
【授業の到達目標】
現在の研究動向とその根本にある枠組み・仕組み・概念を学習することによって、その考え方や分析内容を身につけ、実際の言語表現の分析に活用できる。 健全な批判的精神で論文を評価できる。
【授業概要(キーワード)】
統語論、意味論、機能論、生成文法
【科目の位置付け】
本科目は人間科学分野・言語科学領域の科目です。本科目と社会文化システム専攻のカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーとの関係については履修の手引きを参照してください。
【授業計画】
・授業の方法
およそ7本の研究成果(論文)を取り上げ、順に、口頭発表の形で論文の概要を紹介し、内容に関するディスカッションを行う形式で、授業を進める。 発表担当者は、論文内容を整理の上、ハンドアウトを準備し授業に臨み、また、他の受講者は論文を熟読の上、問題点・疑問点などを整理し授業に臨むことが求められる。 ディスカッションを通して、「建設的な批判」能力を高める努力を行うと共に、言語研究の流れの中で当該論文がどのような位置づけをされるかという点と今後の展開の方向性を考察する作業を行う。
・日程
1本の論文をおおむね2回の授業で取り扱う。なお、論文は授業開始前に配付する。 第1週~第14週:合計7本の論文を相互にオーラルプレゼンテーション/ディスカッションの形式で読み解く。 第15週:7本の論文を相互に位置付けるとともに研究の流れ全体を考察し、研究の方向性や具体的な研究トピックについて意見交換を行う。
【学習の方法】
・受講のあり方
論文発表担当者は、担当論文の内容をまとめたハンドアウトを準備してレポートを行う。 その他の受講者は、当該論文の内容について考察を行い評価を試みる。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前に当該論文を熟読し、問題点や評価すべき(と思われる)点を整理した上でディスカッションに臨むことが必須です。また、意図や論旨がはっきりしない点など理解できない箇所を明確にしておくことも大切です。
【成績の評価】
・基準
授業で取り上げた論文内容に関連する分野の研究の流れを踏まえた上で、問題点を定義し、所定の分析手法でその問題点を解決する能力の程度を見る。 具体的には、「知識の修得」、「理解」、「汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)」、「授業への参加」の4項目に基づいて評価する。
・方法
発表の内容(20点)、ディスカッションの内容(20点)、学期末レポート(60点)による。 なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績となる。
【テキスト・参考書】
テキストとする論文は事前に配付する。 参考書: ・Liliane Haegeman (1991) Introduction to Government and Binding Theory, Blackwell. ・Liliane Haegeman and Jacuqeline Gueron (1998) English Grammar: A Generative Perspective, Blackwell. ・Andrew Radford (2016) Analysing English Sentences, 2nd edition, Cambridge University Press. ・Randolph Quirk, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik (1985) A comprehensive grammar of the English language, Longman. ・原口庄輔・中村捷・金子義明(編)(2016)『増補版チョムスキー理論辞典』研究社.
【その他】
・学生へのメッセージ
優れた論文を読むことによって、オリジナリティ溢れる知的分析の醍醐味に触れ、その刺激を自身の研究活動に活かしてください。
・オフィス・アワー
年間を通して、火曜日16:20-17:50@富澤研究室(人文社会科学部1号館4階)
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