【授業の目的】
臨床場面において心理療法を行う際の基本的態度やスキルに関する知識を得ることを目的に,代表的な心理療法の歴史,概念,定義,適用および限界を学ぶ。
【授業の到達目標】
本授業の到達目標は次の2点である。 1.代表的な心理療法の理論と方法を理解し概説できる 2.代表的な心理療法の特徴(適用や限界)や異同を理解し概説できる
【授業概要(キーワード)】
心理療法,精神分析,パーソンセンタード・アプローチ,認知行動療法,家族療法,コミュニティ・アプローチ,統合的アプローチ
【科目の位置付け】
この授業は,臨床心理学的介入である心理療法の体表的なアプローチを学ぶものである。
【授業計画】
・授業の方法
代表的な心理療法について,パワーポイントおよび配布資料に基づく講義を行う。また,心理療法を体験的に学習するために,適宜演習(ワーク)を行う。受講生による発表も行う。
・日程
第 1回目 心理療法とは:歴史,カウンセリングや臨床心理学との違い 第 2回目 心理療法の効果 第 3回目 心理療法の過程 第 4回目 心理療法の担い手としての心がけ 第 5回目 精神分析学,力動的心理療法 第 6回目 パーソンセンタード・アプローチ 第 7回目 行動療法,応用行動分析 第 8回目 認知療法,論理情動療法 第 9回目 第3世代の認知行動療法 第10回目 家族療法 第11回目 コミュニティ・アプローチ 第12回目 統合的アプローチ 第13回目 受講生による発表(1) 第14回目 受講生による発表(2) 第15回目 授業のまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
代表的な心理療法の理論と技法に加え,それらの適用や限界を理解した上で,それぞれの心理療法の異同を考えながら,受講すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業後に各種心理療法の文献を読み,授業で学んだ内容の理解を深めるとともに,実践に関する科目と関連づけながら,本授業で学んだことを発展させることを期待します。
【成績の評価】
・基準
次の2点を合格基準とする。 1.適宜行う演習(ワーク)に積極的かつ能動的に取り組む 2.課題レポートおよびリアクションペーパーや発表において,本授業で扱った心理療法の理論や技法,適用や限界を適切に概説できる
・方法
授業参加度(授業態度,課題レポートおよびリアクションペーパー),発表を総合的に判断し評価する。
【テキスト・参考書】
・藤山 直樹 (2008). 集中講義・精神分析 上 精神分析とは何か,フロイトの仕事 下 フロイト以後 ・平木 典子 (2010). 臨床心理学をまなぶ④ 統合的介入法 東京大学出版会 ・伊藤 絵美 (2011). ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1 BOOK2 医学書院 ・岩壁 茂・福島 哲夫・伊藤 絵美 (2013) 臨床心理学入門 多様なアプローチを越境する 有斐閣アルマ ・金沢 吉展 (2007). カウンセリング・心理療法の基礎 有斐閣アルマ ・三田村 仰 (2017). はじめてまなぶ行動療法 金剛出版 ・鍋田 恭孝 (2016). 実践 心理療法 治療に役立つ統合的・症状別アプローチ 金剛出版 ・岡野 憲一郎 (2012). 心理療法/カウンセリング 30の心得 みすず書房 など
【その他】
・学生へのメッセージ
特定の心理療法を主軸に置いても,現場によっては,それとは異なるアプローチが求められたり,主軸とは異なるアプローチの必要性を認識したりすることが少なくありません。ある心理療法を主軸にするにしても,必要以上に固執・忠実になることなく,その他の心理療法にも関心をはらい,その都度学び続ける姿勢や態度を身に付けてもらえればと思います。
・オフィス・アワー
随時対応します。確実に面談したい場合には,授業終了時にお声がけいただくか,事前にメールでお問い合わせください。
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