【授業の目的】
心理援助の専門職は,心理,発達,健康に関する支援を要する個人への援助のみならず,すべての国民に対して,その心の健康の維持と増進を目的に,心理学に基づく知識の提供,教育を行うことが求められる。本授業では,心の健康教育を計画・実行する上での基礎を身に付けることを目的に,心の健康教育に関する諸理論を学び,その実践に関する演習(ワーク)を行い,実際に特定のテーマに関する心の健康教育を企画してもらう。
【授業の到達目標】
本授業の到達目標は次の3点である。 1.心の健康教育に関する理論について説明できる 2.心の健康教育に関する実践について説明できる 3.チームで協力して心の健康教育を計画・実践できる
【授業概要(キーワード)】
心の健康,予防,心理教育
【科目の位置付け】
本授業は,公認心理師法の「大学院における公認心理師となるために必要な科目」として文部科学省厚生労働省が定めるものである。
【授業計画】
・授業の方法
心の健康教育の諸理論と実際について,パワーポイントや配布資料に基づき,講義や演習(ワーク)を行う。また,受講者による心の健康教育の計画案の発表と実践を行い,実施者および参加者の立場を体験し,グループディスカッションを行う。
・日程
第 1回目 講義のすすめ方とガイダンス(心の健康と心の健康教育) 第 2回目 心の健康教育に関する諸理論:カウンセリング心理学 第 3回目 心の健康教育に関する諸理論:コミュニティ心理学 第 4回目 心の健康教育に関する諸理論:学校心理学 第 5回目 心の健康教育に関する諸理論:認知行動理論 第 6回目 心の健康教育のプロセス 第 7回目 自己との関わりに関する心の健康教育:ストレスマネジメント 第 8回目 他者・集団との関わりに関する心の健康教育: ソーシャルスキル・トレーニング 第 9回目 心身の健康とのつきあいに関する心の健康教育:メンタルヘルスリテラシー 第10回目 受講者による発表
【学習の方法】
・受講のあり方
心の健康教育に関する諸理論と実際の基本的理解を得て,その上で,自らが興味関心のある領域にて,心の健康教育を実施するとしたら,どのように計画できるかを考えながら,受講すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
一般教養における心理学(特に臨床心理学)の授業は,心の健康教育に通ずる点があります。受講者がこれまでに受講した心理学に関する授業内容やその時の自身の体験を振り返ることが,自らが心の健康教育を計画・実施する上で参考になるでしょう。
【成績の評価】
・基準
1.課題レポートおよびリアクションペーパーの内容において,心の健康教育に関する諸理論と実践を概説できることを合格基準とする。 2.受講者による発表を通して,心の健康教育に関する諸理論を踏まえた上で,その実践を計画し,実行できることを合格基準とする。
・方法
授業参加度(課題レポートおよびリアクションペーパー),授業態度,発表を総合的に踏まえて評価する。
【テキスト・参考書】
事前のテキストとして個別に指定するものはありませんが,必要な資料やプリントを授業時に配布し,授業進度,学生の理解に合わせて,適宜,指定する。
【その他】
・学生へのメッセージ
心の健康教育を実施する際には,どのような内容が求められているのか,求められている内容を満たすにはどのような構成にするといいのか,その構成内容は参加者が無理なく参加でき,また理解できるものか,教育による効果をどのように測定すればいいのか,といった点を十分に吟味することが重要であるとともに,難しい点でもあります。本授業を通して,そのような視点を身に付け,心の健康教育を計画・実践していく上での素地にしてもらえればと思います。
・オフィス・アワー
随時対応します。確実に面談したい場合には,授業終了時にお声がけいただくか,事前にメールでお問い合わせください。
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