【授業の目的】
現代社会において、データの統計的考察の需要は分野を問わず増加しています。本講
義では、ポワソン分布、正規分布、カイ２乗分布といった様々な確率分布の性質と、
それが統計学においてどのように利用されているかについて学ぶことで、数理科学の
応用の一端に触れることを目的とします。
【授業の到達目標】
1) 様々な確率分布の性質を理解し、計算によって確かめることができる。
2) 統計量がどのように定義され、検定によって推定されるかを理解している。
【授業概要（キーワード）】
確率、分布、平均、分散、大数の法則、中心極限定理、正規分布、点推定、区間推定、仮説検定
【科目の位置付け】
理学部ディプロマ・ポリシー「２. 理学についての深い知識の修得、および幅広い視野と探究心の獲得」の方針に則り、現代社会の様々なところで近年非常に重要な役割を持つ数理統計学の基本的事項を学習し、数学をさまざまなところに応用できるような人材の育成を目指す。
【授業計画】
・授業の方法
最初に簡単な統計的現象の実験を行う。その後その統計的現象を理解するために板書による講義および演習を行う。
・日程
第1回 授業概要の説明
第2回 記述統計１ 度数分布表、平均と分散、標準偏差
第3回 記述統計２ チェビシェフの不等式
第4回 確率論１ 確率とは 確率空間
第5回 確率論２ 確率変数
第6回 確率論３ 平均、分散
第7回 中間試験
第8回 確率論４ 確率変数の独立性
第9回 確率論５ 大数の法則、中心極限定理
第10回 確率論６ 正規分布、χ二乗分布
第11回 数理統計１ 点推定
第12回 数理統計２ 区間推定
第13回 数理統計３ 仮説検定
第14回 まとめと演習
第15回 期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
高校までに学習した確率論と統計に関する内容を復習するとよい。
わからない部分は積極的に聞いてほしい。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
数学は積み重ねの学問なので前回までの授業の内容に関連した練習問題を解くなどして復習しておくとよい.
【成績の評価】
・基準
確率論の基本的事項および確率論に基づいた数理統計学的現象の理解および基本的事項の理解
・方法
中間試験、期末試験および授業数回に一回程度の割合で行う演習により評価する。
中間試験３割、期末試験３割、演習４割
【テキスト・参考書】
テキスト：指定しない。
参考書：『新統計入門』 小寺平治 裳華房 1996 978-4-7853-1099-8
【その他】
・学生へのメッセージ
１年生までは高校の貯金でできていたことが、専門性が高まるにつれて新しく学ぶことが多くなり、急に難しくなると思います。わからないところはじっくり時間をかけて学習することをこころがけてください。
・オフィス・アワー
火曜日１２：００－１３：００．不在のことも多いので質問を希望する方はなるべく ishiwata@sci.kj.yamagata-u.ac.jp にメールをしてアポイントメントをとってください。
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