【授業の目的】
オームの法則、キルヒホッフの法則、、電力とエネルギー、重ね合わせの理、テブナンの定理、複素表示(フェーザ表示)、インピーダンス、アドミタンス、交流電力とインピーダンス整合、共振回路 電気電子工学にとって,最も重要な基礎科目の一つである。電気回路に用いられる基本素子(変成器を含む)と電気回路の基本となる法則を学ぶ。次に正弦波交流回路において回路を微分方程式で記述できることを学ぶ。さらに,複素数の極座標表示を駆使した正弦波交流の電圧・電流のフェーザ表示(複素数表示)について学び、その表示に基づくインピーダンスの概念を導入する。フェーザ表示により、正弦波交流回路の定常応答解を与える微分方程式は代数方程式に変換され、四則演算のみを用いてその解を得ることが可能になる。さらに、インピーダンスとアドミタンスの概念を用いることで、交流回路を直流回路の延長として同様に扱えるようになる。最後に、インピーダンス整合,共振回路を理解する。
【授業の到達目標】
○キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,テブナンの定理を使って直流回路の計算ができる。 ○抵抗,容量,インダクタなどの基本素子の基礎的な性質を説明できる。 ○正弦波交流が加えられた直列あるいは並列に接続された基本素子の交流特性を説明できる。 ○正弦波の複素数表示を用い,交流回路の計算ができる。 ○インピーダンスおよびアドミタンスならびにインピーダンス整合を理解し,フェーザ(ベクトル図)による電力の表現ができる。) ○直列・並列共振回路の共振特性を図および式で表現できる。
【授業概要(キーワード)】
複素表示,キルヒホッフの法則,回路方程式,回路解析法
【科目の位置付け】
本科目は,システム創成工学科における専門科目として位置付けられる。
【授業計画】
・授業の方法
授業は,各回90分の講義で進める。適宜,演習の時間を設ける。
・日程
1.直流回路の計算・キルヒホッフの法則 2.直列回路・並列回路・電位の概念 3.直流の電力、消費電力最大のための負荷抵抗 5.回路の定常状態と過渡現象 6.正弦波電圧と電流 7.R-L-C直列回路 8.中間テストと解説 9.交流回路の複素数計算法 10.電力の複素数表示 11.ベクトル軌跡 12.R-L直列回路・並列回路 13.R-C直列回路・並列回路 14.共振回路 15.期末テストと解説
【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席し,話を良く聞き,疑問点はそのままにせずに適宜質問するように。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
上記授業計画を参考とし,教科書・参考書を参照されたい。 一定の進捗の後、俯瞰的に復習することも有益である。参考とされたい。
【成績の評価】
・基準
科目の達成目標に記載の項目について試験を行い,上記の基準を満足したものを合格とする。
・方法
中間試験50点,期末試験50点,合計100点で,60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
電気学会大学講座「電気回路論」 オーム社 ISBN978-4-88686-265-5
【その他】
・学生へのメッセージ
電気電子工学に関する基礎的な知見を学ぶ機会です。直接的な興味にとらわれず積極的な修得をすすめます。 論理回路入門,ロボティクス,マイクロマシンと微細加工,生体情報工学といった科目を将来履修予定の者は本科目を履修することが望ましい。
・オフィス・アワー
オフィスアワーについては,毎週月曜日の午前中に行うものとする。
|