【授業の目的】
工学の基礎である物理学への理解を深めるために,電磁気学の基礎、およびその理解に必要なベクトル解析について基本的な知識を得ることを目的とする.高等学校で物理を学んできた人も学ばなかった人もレベルアップできるように、授業は基礎,発展の2クラスを開講する.発展クラスは実力向上を目指して比較的多くの物理現象を扱い、基礎クラスは基礎力の充実を目指して扱う物理現象を絞り込み、高校「物理」を学ばなかった学生にも 理解できるように丁寧に説明する。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は,(1) 静電磁気学に必要なベクトル解析を用いて、計算や式の変形ができる.(2) 真空中の静電場(電界)に関して、クーロンの法則、点電荷および電気双極子が作る電場を計算できる.(3) ガウスの法則の意味を理解し、電場が計算できる.
【授業概要(キーワード)】
ベクトル,スカラー,ベクトル場,スカラー場,電荷,電場(電界),電気双極子,クーロンの法則,ガウスの法則
【科目の位置付け】
基盤教育科目「力学の基礎(物理学)」,専門教育科目「物理学基礎」,「物理学I」,「物理学II」の4科目を学ぶことによって,体系化された物理学を理解できるようになっている。
【授業計画】
・授業の方法
この授業は基礎(55001)、発展(55049)の2クラス開講とする.この基礎クラスでは比較的少数の例題を丁寧に解説し,毎回の講義で演習問題を出題し、それを実際に解きながら学習する。尚、講義で取扱う物理現象は2クラスとも共通であり,中間・期末試験内容および成績評価基準も同一である.
・日程
1. ベクトル量とスカラー量,ベクトルの成分,表示方法,単位ベクトル 2. ベクトルの内積とその応用問題 3. ベクトルの外積とその応用問題 4. ベクトル場とその表示方法 5. 中間試験とその解説 6. クーロンの法則とそのベクトル表示 7. クーロン力と重ね合せの原理 8. 点電荷による電場とそのベクトル表示 9. 複数電荷による電場の合成 10. 電気双極子による電場の計算とベクトル表示 11. 電気力線とガウスの法則 12. ガウスの法則の物理的意味 13. ガウスの法則を用いた電場の計算I 14. ガウスの法則を用いた電場の計算II 15. 期末試験とその解説
【学習の方法】
・受講のあり方
教科書を用いて、その例題や演習問題を解きながら物理法則への理解を深める。演習問題の解答をミニッツペーパーに記入して講義終了時に提出する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業で扱った例題や演習問題の内容を完全に理解できるように復習する.更に,テキスト章末にある演習問題を自力で解いて理解度を深める.
【成績の評価】
・基準
クーロンの法則やガウスの法則を用いて、基本的な電荷配置の場合について、その電場ベクトルの大きさや向きを正しく計算できることを合格の基準とする。
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験を行ない,以下の基準を満足したものを合格とする.中間試験40点,期末試験60点の合計100点満点で,60点以上を単位認定する
【テキスト・参考書】
テキスト:「よくわかる電磁気学」宮﨑 照宣,加藤 宏朗 著 (日刊工業新聞社)
【その他】
・学生へのメッセージ
高校で物理を学んでいなかった学生にも理解できる講義を行います。
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:30〜17:00.WebClassのメッセージ機能や電子メールによる質問も受け付けます.
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