【授業の目的】
「日本」を多角的に理解するために、日本と東アジアの歴史的交流とその意義について基本的な理解を深めることを目的とする。
【授業の到達目標】
(1)日本史・アジア史の研究方法に目配りをしつつ、学際的な視点から、日本の歴史・文化とその特質について理解することができる。 (2)理解した内容について、具体的事例などを挙げながら自身の言葉で解説できる。
【授業概要(キーワード)】
「東アジアの中の日本」をテーマとし中国近世史・日本近代史・モンゴル史それぞれの立場から、リレー形式で講義を行う。中国近世史からは、東アジア海域世界の中世末から近世への推移について、日本近代史からは、近代日本を取り巻く国際関係について、モンゴル史からは、近代における日本とモンゴルの関係についてそれぞれ論じてゆく。 (キーワード)日本史、東アジア、華夷秩序、帝国主義
【科目の位置付け】
この授業科目は、専門導入科目の一つで、歴史学の視点から日本を論ずる日本学入門科目です。カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
2名の教員と招待講師がそれぞれプリントを配布し、板書・スライドなどを中心に講義する。
・日程
第1回:ガイダンス 4月9日 第2回:東アジア文化圏のなかの日本 4月16日 第3回:足利義満冊封と日明貿易 4月23日 第4回:「倭寇」的状況と鉄炮伝来 4月30日 第5回:山形に残る史料―博物館見学― 5月7日 第6回:秀吉の朝鮮侵略と日本型華夷秩序 5月14日 第7回:「鎖国」体制と東アジア 5月21日 第8回:「開国」の衝撃 5月28日 第9回:不平等条約体制と東アジア 6月4日 第10回:帝国主義と東アジア 6月11日 第11回:ワシントン体制と東アジア 6月18日 第12回:「大東亜共栄圏」の理想と現実 6月25日 第13回:近代における日本とモンゴルの邂逅 7月2日 第14回:「五族協和」と東部内モンゴル 7月9日 第15回:モンゴルから日本を見る 7月16日
【学習の方法】
・受講のあり方
講義形式で行う。板書やスライドだけではなく、口述した内容についてもノートを取るよう心がける。分からなかった個所は、参考文献による学習や担当教員への質問などにより解決すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習のあり方:時代背景への理解が重要になるので、高校の日本史や世界史の教科書などに、ひととおり目を通し、日本史の流れをつかんでおくことが望ましい。 復習のあり方:参考文献に目を通しつつ、ノートや配布資料の内容を再確認すること。
【成績の評価】
・基準
学期末レポートのほかに、毎回小レポートを課し、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は、東アジアにおける日本の歴史について理解し、具体的事例などを挙げながら自身の言葉で解説できる。授業に積極的に参加し、毎回の内容について質問や所感を述べることができる。
・方法
平常点(30点)、期末レポート(70点) 期末レポートは、以下の参考書の中から一冊選び、授業内容を踏まえたうえでその要約とコメントを加える(1500字程度)。
【テキスト・参考書】
・李 成市『東アジア文化圏の形成』(山川出版社、2000年) ・檀上 寛『天下と天朝の中国史』(岩波新書、2016年) ・仲尾 宏『朝鮮通信使』(岩波新書、2007年) ・大東和重『台湾の歴史と文化』(中公新書、2020年) ・室井康成『事大主義』(中公新書、2019年) ・岩崎育夫『入門東南アジア近現代史』(講談社現代新書、2017年) ・宮脇淳子『世界史のなかの満洲帝国』(PHP新書、2006年) ・楊 海英『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(中央公論新社、2015年) その他、授業内で随時紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
高校で「日本史」や「世界史」を学んでいない学生にも理解できる授業を目指します。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える時間として、以下の時間を設ける。 新宮研究室(人文棟1号館4階):月曜日 12:30~13:00 水曜日 12:30~13:00 小幡研究室(人文棟1号館4階):月曜日 11:30~13:30 中村研究室(人文棟1号館4階):火曜日 14:40~16:20
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