【授業の目的】
《五十音図・仮名遣い研究》
誰もが知っている五十音図ですが、何とこれを手がかりにして日本語音韻の実態について知ることができます。また、いろは歌はかつて手習い歌として多用されてきましたが、実は他にもさまざまな手習い歌がありました。この手習い歌の変遷を見ることでも、日本語音韻の歴史を知ることができます。この講義では五十音図や手習い歌の変遷、また仮名遣いの変遷を通して、日本語音韻の歴史について見ていくことにしましょう。
【授業の到達目標】
五十音図と日本語音韻との関わりについて説明できるようになる。またいろは歌などの手習い歌や仮名遣いに関する知識を習得できる。
【授業概要（キーワード）】
五十音図 いろは歌 仮名遣い 日本語音韻史
【科目の位置付け】
この授業は、人文学の専門知を体系的に修得させるために編成される科目です。（人間文化コースのカリキュラム・ポリシー）
【授業計画】
・授業の方法
配布プリントとパワーポイントによる講義を行います。講義終了時に課題（ミニレポート）を出し、次の講義の始めに回収します。
・日程
第1回 五十音図とは
第2回 さまざまな五十音図
第3回 日本語音韻の変遷と五十音図
第4回 五十音図は誰が作ったか
第5回 いろは歌とは
第6回 いろは歌は誰が作ったか
第7回 いろいろな手習い歌
第8回 いろは順と五十音順
第9回 日本語音韻の変遷と仮名遣い
第10回 定家仮名遣い
第11回 契沖と歴史的仮名遣い
第12回 本居宣長と五十音図の修正
第13回 古代日本語音韻の復元
第14回 活用研究の進展
第15回 期末テストと授業のまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
講義ではパワーポイントを用いる他、適宜必要事項を黒板に記していきます。また口頭で補足することもあります。それらの情報について、適宜要領よくノートを取ってください。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
［予習のあり方］参考書にあらかじめ目を通しておいてください。
［復習のあり方］講義終了時に課題（ミニレポート）を出しますので、次回までに各自の回答を指定の用紙に記入しておいてください。また質問事項・感想等も記入してください。
【成績の評価】
・基準
主体的な参加、知識の修得、理解、汎用的技能の修得の四つの度合いで評価します。基準は1) 五十音図と日本語音韻との関わりについて説明できているか、2) いろは歌などの手習い歌や仮名遣いに関する知識を習得できているか、です。
・方法
ミニレポート（30％）・期末テスト（70％）
【テキスト・参考書】
［参考書］
馬渕和夫『五十音図の話』（大修館書店、1993）\2,420
小松英雄『いろはうた 日本語史へのいざない』（講談社学術文庫1941、2009）\1,243
築島裕『歴史的仮名遣い その成立と特徴』（吉川弘文館、2014）\2,420
【その他】
・学生へのメッセージ
母語のしくみや歴史を知ることは、国際社会で生きていく上でも必要なことです。この講義を機に、日本語の音韻や仮名遣いについてじっくりと見つめ直してみましょう。
・オフィス・アワー
火曜日 13時～17時 中澤研究室（人文社会科学部1号館4階409号室）
アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。（電子メール nakazawa@human.kj.yamagata-u.ac.jp で予約すること。）
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