【授業の目的】
「表象文化論の理論と実践」(中級編) 表象文化論に必要とされる理論を基礎的に学びつつ、様々な文化事象を分析する。古典とされる文学テクストから現代の映画や漫画などをとりあげつつ、そうした文化の「歴史」の成立条件についても考察する。
【授業の到達目標】
写真やイラスト、文字テキストなどに見られるさまざまな視覚・聴覚イメージを「表象文化」として解読するための基礎力を身につけ、自分なりの作品アプローチを考えることができるようになります。
【授業概要(キーワード)】
身体 精神 身振り ジェンダー 漫画 音楽 映像 表象 記号 (ポスト)構造主義
【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
本年度はポピュラー音楽を中心に取り上げます。基本的にPowerpointを利用したスライドを提示しながらの講義になります。
・日程
ロックを中心にして「音楽」をテーマとして講義します。 単に音楽を「聴く」のではなく、その表象を「読む」ことを目的とするので、多くの読書量が必要とされることを肝に命じてください。 概ね以下のようなトピックを扱い、2~5のそれぞれについて3回程度の授業を想定しています。
1.イントロダクション 2.「表象」再論 「言説」として音楽を「読む」 3.歴史の資格/死角 音楽史の権力分析 4.脱構築とは何か ロックにおける論争を「読む」 5.「死」はいかにしてロックというジャンルに内在するか 6.まとめ
※ 進捗状況・理解度により一部内容・順序を変更する場合があります。 ※ 学期中盤に一回、ゲストによる講義を予定しています。
【学習の方法】
・受講のあり方
毎回、スライドや配布資料で作品を提示しながら問題点を論じてゆきます。配布資料にはスライドで表示される内容のすべてが記載されているわけではないので、自分なりに要点をまとめノートをとるよう心がけてください。受動的な受講態度では知識も思考力も身につきません。参考文献を渉猟し、自分で問題を見つけ出してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
常日頃から、情報メディアにおける視覚的イメージの重要性について意識するとよいでしょう。 興味をもったテーマについては、授業で紹介する参考文献などを手がかりにさらに学習し、知見を広げてください。授業を聞いている「だけ」では得るところは少ないと考えてください。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得の度合い、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、主体的な参加の度合いを判定します。 基準は、 1)表象文化論であつかわれる基本的な用語や方法を理解することができる 2)修得した知識をもとに、自分の考えを論理的に展開することができる の二点です。
・方法
授業中の質問、およびコメント提出による平常点(20%)、レポート(80%) コメントについては、従来の出席票を兼ねたシートとオンラインフォームでの提出を併用します。
【テキスト・参考書】
テキストは指定しません。スライド・配布資料を使って講義を進めます。参考書については、講義内で随時紹介します。 なお「表象文化概論」を本講義の受講条件とはしないが、受講していない者は以下の書籍(あるいは類書)を読んでおくことが望ましい。重要概念は授業中に最低限度説明するが、頻出概念に慣れておくことができる。 ・池上嘉彦ほか『文化記号論』講談社学術文庫 ・橋爪大三郎『はじめての構造主義』講談社現代新書 ・立川健二・山田広昭『現代言語論』新曜社 ・石田英敬『現代思想の教科書』ちくま学芸文庫 ・廣野由美子『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 』中公新書、2005年。 ・丹治愛(編)『批評理論』講談社選書メチエ、2003年。
【その他】
・学生へのメッセージ
多読、乱読、精読、様々なスタイルで読書を進め、また今まで見たこと・聴いたことがないジャンルの作品に触れるようにしてください。そして自分が感じたことを「言語化」する努力を惜しまないこと。
・オフィス・アワー
在室時随時。開講時に指示する。 研究室は人文社会科学部1号館4階 メール:kakinami(at)human.kj.yamagata-u.ac.jp
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