【授業の目的】
テーマは「フランコフォニー」。 人種や国境を越えて、言語が人々を結びつける。人ではなく、言葉が共同体をつくる。フランス語はまさに、このような特殊な世界を生みだしてきた言語です。周知のとおり、フランス語はフランス人だけのものではありません。フランス以外の多くの国や地域でも、フランス語は公用語として用いられています。スイス、ベルギー、カナダのケベック州、アフリカ諸国(モロッコやセネガル等)、カリブ海諸島などにも、フランス語話者(フランコフォン)が多数います。この授業では、それらの国や地域でフランス語が使用されるに至った歴史的経緯や、フランス語(話者)を取り巻く状況について学びます。 地理や文化間の軋轢に還元されることのない、フランコフォニーという特異な発想と、その現代性について検討してみましょう。
【授業の到達目標】
学生はこの演習への参加を通じて、 1. フランス語を中心とする言語共同体の意義とその歴史的背景について、基礎的な知識を得ることができる。 2. 分担して一つの発表を組織し、集団的な討論をとおして、問題を解決に導くプロセスを身につけることができる。
【授業概要(キーワード)】
フランコフォニー、言語共同体、海外県、ポスト植民地主義、言語政策、クレオール性、多文化主義、映画
【科目の位置付け】
この授業は、EU圏ないし西欧の問題について、グローバル文化の観点から論理的に分析し、解決策を探る力を身につけるために編成されている科目である。
【授業計画】
・授業の方法
基本的にはフランコフォニーの国や地域を一つ取りあげて、調べた事柄をグループに分かれて発表してもらいます。あまり難しく考えず、国や地域について、広く興味を持ち、知識を高める授業だと思ってください。 毎回の担当グループの発表を全員で聞き、各自が意見票にコメントを書きます。それを用いた個別の質疑応答を経て、全体での討論を行います。各発表と討論会の司会進行は学生が担当します。
・日程
現時点で予定している授業内容は以下の通りです。
第一回(1-4):オリエンテーション、問題設定の説明、発表の仕方について、発表順の決定 第二回(5-8):学生による発表と討議 第三回(9-12):学生による発表と討議 第四回(13-15):学生による発表と討議、これまでの議論のまとめ
※ 履修者数が少ない場合、関連映像の上演や、関連資料を配布してそれについて討論を行う予定もあります。 ※ 上記日程からの変更や、入れ替えを行う場合があります。
【学習の方法】
・受講のあり方
初回を必ず受講して説明を聞いたうえで、発表を行ってもらう。 調査や発表を通じて、多様な視点から事象を検討し、討議に参加することが求められる。 発表では、発表グループが考えた「問い」を発して、その問題の解決法を示せるようにして欲しい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テーマの選択・発表のやり方等で悩みが生じた場合は、早めに相談・質問をしてください。
【成績の評価】
・基準
発表を深める形で期末レポートを執筆してもらう。その際、事象の羅列や単なる事実の確認を避け(「授業の到達目標」の1に対して)、実例を引きながら分析し、論証すること(同2に対して)。
・方法
授業参加(出席点、授業内での討論、発表での主体性など)50点、期末レポート(知識の修得の度合い、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力を見ます)50点。
【テキスト・参考書】
WebClassに参考文献をあげるので、そちらを確認してください。
【その他】
・学生へのメッセージ
本演習を履修するうえで、フランス語の知識は必要ありません。 2年生も履修できますが、高年次科目のため、2年生はGPA3.0以上の学生に履修が限られます。 授業では映像作品もみます。広い視野から問題にアプローチしていきましょう。
・オフィス・アワー
随時。アポイントメントを取って下さい(研究室は人文社会科学部棟3号館6階)。 メールアドレス:y.goda@human.kj.yamagata-u.ac.jp
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