【授業の目的】
人権問題について国際法の観点から検討する。国際社会が様々な人権問題にどのように対処しようとしているかについて,国際法の観点からその基本的な枠組みを理解することを目的とする。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は, 1)人権の国際的・国内的実施のための制度・枠組について基本事項を説明できる。【知識・理解】 2)国際社会における様々な人権侵害状況とそれに対する取組みについて調べることができる。【技能】 3)様々な人権侵害状況に対して国際人権法が果たす役割について討議できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
世界人権宣言,自由権規約,社会権規約,国連人権理事会,国家報告制度,個人通報制度,国際刑事裁判所など
【科目の位置付け】
この授業は,法律学分野の高度な「専門知」を獲得し,多様な場面で応用可能な法的知識とその運用能力を養うための科目である(総合法律コースのカリキュラム・ポリシー)。
【授業計画】
・授業の方法
主としてWebClassを通じてレジュメ・資料を配布する。教科書の該当箇所をあらかじめ読んできていることを前提に講義を進める。
・日程
第1回 イントロダクション 第2回 国際人権保障制度の誕生 第3回 国際人権の中心理念 第4回 地域的人権保障の現状 第5回 世界人権宣言と2つの国際人権規約 第6回~第7回 主要な人権条約の概観 第8回 難民や国内避難民,移民の人権 第9回 武力紛争における人権 第10回 国際刑事裁判 第11回~第12回 人権の国際的実施(国連の活動、国家報告制度、個人通報制度) 第13回~第14回 人権の国内的実施(人権訴訟を中心に) 第15回 まとめと期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
レジュメと板書を参照しながら講義内容をノートにとる。疑問に思うことがあれば積極的に質問する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書の該当部分を読み,疑問点を明確にしておくこと(必須!)。 自分でとった講義ノートを見直し,ポイントをまとめる。参考文献にあたって問題に対する理解を深めておくこと。 授業では直近のニュースを積極的に取り上げるので,毎日ニュースをチェックしておく。
【成績の評価】
・基準
課題・中間レポート・期末試験を課して,知識の習得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いについて総合的に評価する。具体的には,次のような点が基準となる。①国際人権法の基本的内容を理解し,自分の言葉で説明できるか。②国際社会における人権侵害への対応のあり方について,自分なりの考えを論理的,説得的に示すことができるか。③国際人権法に対する問題関心が高いことを示すことができているか。
・方法
課題:20%,レポート:30%,期末試験:50% 課題は,授業の進行度合いを見ながら適宜提示する。
【テキスト・参考書】
テキスト:①芹田健太郎・薬師寺公夫・坂元茂樹『ブリッジブック国際人権法[第2版]』(信山社,2017年) ②『国際条約集2020年版』(有斐閣)(条約集は他のものでも構わないが,必ず用意すること)。 その他の参考書については講義において適宜紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
私語は厳禁(講義内容に関する発言は常に大歓迎!)。 「国際法」の応用科目にあたるので,「国際法1,2」を履修済みまたは並行履修中であることが望ましい。 法律科目でやや難解かと思いますが,地域公共政策コースやGSコースの学生にも積極的に受講して欲しいと思います。
・オフィス・アワー
木曜日15:00〜17:00 人文社会科学部2号館3階 丸山研究室 その他の時間はメールでアポイントメントを取ってください。
|