【授業の目的】
この授業では、「関係」と「比較」という視点から、西欧のアジアへの進出から現代までの、欧米経済とアジア経済の変遷とその特徴を検討することを目的としています。「関係」という視点からは、欧米とアジアの政治経済、社会が現在に至るまでにどのように変容してきたのか、またそれは、相互の如何なる関係の中で展開されてきたのか、といった問題を扱います。「比較」という視点からは、中国などのアジア地域の経済活動が、欧米のそれと比較してどのような特徴を有してきたのか、近年の中国史、アジア史、グローバルヒストリーなどの成果を取り入れて検討します。これらを総合して、現代にまで繋がるグローバルな政治経済的問題について自ら考察するための、基礎的な歴史的知識を習得することを目的としています。
【授業の到達目標】
(1)グローバル経済史の基礎的な知識を習得する。 (2)グローバル経済史に関連する種々の問いに対して、論理的な文章を以て回答することができるようになること。
【授業概要(キーワード)】
産業革命、自由貿易、国際金本位制、世界システム論、ジェントルマン資本主義、大分岐、後発国の経済発展
【科目の位置付け】
現代のグローバル経済の基礎をなす歴史的な事象について、その概略的知識を習得すること。
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを使って授業を進めます。
・日程
第1回 ガイダンス 第2回 グローバル経済史Ⅰの内容の概要 第3回 近世東西経済の比較検討Ⅰ-大分岐の議論を踏まえて- 第4回 近世東西経済の比較検討Ⅱ-分業と市場経済の関係- 第5回 近世ヨーロッパの重商主義 第6回 市民革命と欧米の近代化 第7回 財政革命とイングランド銀行 第8回 西欧の衝撃と世界の近代化 第9回 講義内容の中間チェック 第10回 開港期アジアの商業ネットワーク 第11回 後発国の近代化と国際貿易‐アジア間貿易とアジアの工業化- 第12回 ジェントルマン資本主義‐資本主義の成長の多様性の一例‐ 第13回 二つの大戦から帝国主義の終焉へ 第14回 歴史から見る現代グローバル経済の趨勢 第15回 講義内容全体のチェック
【学習の方法】
・受講のあり方
前回授業の内容を復習し、要点を整理してから、次の授業に臨んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
開発経済学などの他分野の文献との関連を考察してみると、より視野が広まるでしょう。
【成績の評価】
・基準
授業で習った知識を、論理的な文章で表現できることが成績評価の基準となる。
・方法
概ね、「小テスト」は20%、「期末試験」は80%の比重となる。
【テキスト・参考書】
金井雄一、中西聡、福沢直樹編『世界経済の歴史―グローバル経済史入門―』名古屋大学出版会、1999年。
【その他】
・学生へのメッセージ
現代のグローバル経済において、地域経済に貢献するためには、地域密着的な知識のみならず、グローバルな視野も非常に役立ってくるでしょう。是非頑張ってください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を諸田研究室(人文社会科学部2号館4階)において、月曜10:30-14:30の間に設けます。
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