故事成語から知る「ヒトノサガ」(人間を考える)
 ”The Human Feeling”Found in Set Phrases of Sino-Japanese(Humankind)
 担当教員:三上 英司(MIKAMI Eiji)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人口に膾炙し続けた成語のもとになった故事に示される人間性の美醜について理解し、普遍の人間性について考察する。

【授業の到達目標】
・人が本質的に内包する特質の諸相を説明できるようになる。
・自己の中にある美醜を理解し、内省できる思考力を身につける。

【授業概要(キーワード)】
故事成語 人間性 普遍性 内的アクティブラーニング  

【科目の位置付け】
この授業は、故事成語を題材に人の性について様々な視点から理論的に考察することで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。

【授業計画】
・授業の方法
・毎時、取りあげる故事成語の内容に関する解説を聞いたあとに、個々の内省に基づいて自己の見解を文章化してリアクションペーパートで明示し、教員に提出します。
・前時に提出されたリアクションペーパーシートから抽出された履修者の典型に対する自分の意見を、文章でリアクションペーパーに示し、提出します。
・日程
第1回 :授業・評価方法の解説 「言は慎しまざるべからず」(言葉の力)
第2回 :「上善は水の若し」(「しない」と「できない」)
第3回 :「放心を求む」(「学」の本義)
第4回 :「墨守」(矛盾なく生きることの厳しさ)
第5回 :「蟷螂の斧」(事実が持つ二面性)
第6回 :「五十歩百歩」(フィクションにできること)
第7回 :「井の中の蛙」(自分を取り巻く環境を理解する)
第8回 :「大器晩成」(自分の器を創る)
第9回 :「渾沌の徳」(渾沌と混沌)
第10回:「風林火山」(不敗の自分を創る)
第11回:「知音」(誰と共に生きるか)
第12回:「津を問ふ」(どの道を歩むか)
第13回:「機心」(依存しない生き方)
第14回:「非攻」(「義」を通す)
第15回:「愚公山を移す」(意思を実現する方法) 

【学習の方法】
・受講のあり方
 この授業は内省(内的アクティブラーニング)の力が求められます。履修者は、取りあげられた故事成語に関する解説を聞き、授業者からの問題提起に対し、自己の見解を論理的かつ明解に文章化して提出することになります。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 次時に取りあげる故事成語の出典となった文章の内容を、テキスト本冊ならびに別冊の解説を参考にして理解しておいてくださいと。テキスト本冊に記されている質問事項に対し、それぞれの解答を準備しておいてください。

【成績の評価】
・基準
可(C):故事の内容の概略を理解し、見解を提示することができる。
良(B):故事成語の意味を適切に理解し、見解を示すことができる。
優(A):故事成語に示される普遍の人間性を理解し、論理的に見解を示すことができる。
秀(S):自己が内包する普遍性を理解し、論理的かつ明解に見解を示すことができる。
・方法
 全15回の授業中で、10回提出を求めるリアクションペーパーにより、目標に対する到達度を評定します。具体的には、リアクションペーパーは1回に付き、10点として合算し、100点法で評点を示します。

【テキスト・参考書】
 テキスト:高校生のための古典ライブラリー『漢文名文選 故事成語編』 筑摩書房 三上英司・大橋賢一・小田健太編著 ISBN978-4-480-91736-2  1000円
  

【その他】
・学生へのメッセージ
 漢文や古典、国語が苦手もしくは嫌いな方でも気になさらなくてけっこうです。文法に関する知識や書き下し・現代語訳の作成を求めることは一切ありません。漢文という文体で示されているテキストの内容は、全て授業者が解説します。「ヒト」という生き物の「サガ(性)」についての考察に集中していただければけっこうです。
・オフィス・アワー
月曜日12:00~13:00をオフィスアワーとしますが、これ以外の時間であっても出張や会議で不在時以外は、随時、質問・相談に応じます。

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