くずし字入門(文学)
 Introduction to Japanese Cursive Script(Literature)
 担当教員:生田 慶穂(IKUTA Yoshiho)
 担当教員の所属:人文社会科学部
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
博物館・美術館で展示される古典籍、床の間の掛け軸、蕎麦屋の暖簾―生活の中でくずし字を目にしながら、多くの現代人にとってそれは読めないのが当たり前になっている。もし、あなたがくずし字を読めたとしたら…。
本講義では、くずし字の解読方法を教授すると同時に、古典籍を解読した成果を社会に還元していくプロジェクトを紹介する。膨大な古典籍をどのように活用すべきか、一市民の立場から考えることを目的とする。

【授業の到達目標】
1.基本的な変体仮名を解読することができる。
2.古典籍を解読した成果を社会に還元する方法を提案できる。

【授業概要(キーワード)】
くずし字,変体仮名,古典籍,学生主体型授業(アクティブラーニング)▲

【科目の位置付け】
くずし字の解読方法と古典籍の活用事例を学ぶことで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識の習得を目指す。

【授業計画】
・授業の方法
テキストを使用しない回は、基本的に講義形式となる。テキストを使用する回では、その場で問題を解いてもらい、直後に解説を行う。テキストは書き込み式なので各自購入すること。第5回・第9回・第12回に小テストを行う。
・日程
第1回 くずし字のなりたち
第2回 変体仮名の種類と字母
第3回 「八代集抄」を読む(テキストp.10-19)
第4回 「八代集抄」を読む(テキストp.20-33)
第5回 プロジェクト紹介①国文学研究資料館
第6回 「二十一代集」を読む(テキストp.34-49)
第7回 「二十一代集」を読む(テキストp.50-63)
第8回 「二十一代集」を読む(テキストp.64-75)
第9回 プロジェクト紹介②人文学オープンデータ共同利用センター
第10回 「新古今集」を読む(テキストp.76-93)
第11回 「新古今集」を読む(テキストp.94-105)
第12回 プロジェクト紹介③みんなで翻刻
第13回 さまざまな筆跡にふれる①
第14回 さまざまな筆跡にふれる②
第15回 試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
くずし字解読の王道は反復練習である。テキストを忘れず、なるべく休まないこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業中に読めなかった字には印を付けておき、重点的に復習する。

【成績の評価】
・基準
テキストを参照しながら基本的な変体仮名を解読できるか、授業内で紹介したプロジェクトをふまえて古典籍を活用する方法を独自に提案できるかが、合格の基準となる。
・方法
小テスト(10点×3=30点)、期末試験(70点)の合計をもって評点とする。

【テキスト・参考書】
[テキスト]兼築信行『一週間で読めるくずし字 古今集・新古今集』 淡交社 2006 \1760
[参考書]かな研究会編『実用変体がな』 新典社 1988 \660

【その他】
・学生へのメッセージ
くずし字が読める、というのはちょっとした特殊技能です。研究者を目指すのでもない限り、読めなくても決して困りませんが、読めたら一生の財産になるでしょう。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問は、火曜16:20~17:50に研究室(人文社会科学部1号館4階406)で受け付けます。その他の時間に来たい場合は事前に連絡して下さい。

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