老年専門看護学実習Ⅰ
 Advanced Adult and Gerontological Nursing Practice Ⅰ
 担当教員:佐藤 和佳子(SATO Wakako)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:通年  単位数:4単位  開講形態:実習
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
1.演習で学んだ知識を用いて、老人専門看護師として、認知高齢者の看護実践、ケア調整、倫理調整、相談に応ずることができるために、複雑な
 病態・生活課題を生じている認知症高齢者に対し、CureとCareを統合させ、高度な看護実践を展開し、解決に導くことができる専門能力を習得す
 る。
2. 老人専門看護師の実際の活動を体験し、多職種チームで構成される所属機関のケアチームにおいて、高度実践看護、倫理調整、調整、相談、教
 育の機能を発揮し、高度実践看護師としての役割を習得する。

【授業の到達目標】
1.複雑な病態・生活課題が生じている認知症高齢者に対し、CureとCareを統合させ、高度な看護実践を展開することができる。
2.多職種チームで構成される所属機関のケアチームにおける、老人看護専門看護師の機能について説明できる。

【授業概要(キーワード)】
複雑な病態・生活課題を生じている認知症高齢者、CureとCareの統合、高度看護実践、老人看護専門看護師役割実習

【科目の位置付け】
老年看護専攻教育課程看護高度専門職業人として豊かな学識と高い見識を獲得するために、多面的で実践的な教育を展開する。

【授業計画】
・授業の方法
1)認知症高齢者への高度実践看護に関する実習と、2)認知症高齢者看護と並行して、老人看護専門看護師の役割を学ぶ実習を展開します。
 
・日程
Ⅰ. 老人看護専門看護師実習(4単位)
1)認知症高齢者への高度実践看護に関する実習(4単位:4週間―1年後期 2月-3月)
  認知症高齢者が多数入院する第2次医療圏の病院で、急性期、回復期、退院支援に向けての高度看護実践実習を行う。また、多職種チーム連携、
 CureとCareを統合した課題解決方法について、認知症高齢者の事例を受け持ち、高齢者と家族に対する高度実践看護の実際を修得する。
 CureとCareを統合した課題解決方法については、主治医による受け持ち患者の臨床講義が確保されるように、実習指導の老人専門看護師が調整す
 る。
  事例については、包括的な機能評価に基づき,看護問題・生活課題に関するケースマネジメント展開し、認知症高齢者の事例展開を系統的に分
 析したケースレポートを作成する。作成したレポートについては、老年医学を専門とする医師より、病態の具体的査定、診断、治療、病態につい
 てのスーパーヴィジョンを受け、CureとCareとの統合を図る。
2)専門看護師役割実習:認知症高齢者看護と並行して、老人看護専門看護師の役割と機能、管理・教育・相談・倫理調整・ケア調整、および、ケ
 アの質の向上に有効な看護研究の展開につい
 て実習する。
  実習は、認知症高齢者高度実践看護実習と並行し、1週間に、1-2日程度 ×4週間の期間に、専門看護師の役割実習を実施する。
  実習施設 :北村山公立病院
        山形県村山地区の二次医療圏における急性期、回復期、退院、継続医療を総合的に提供している病院で、高齢者特有の複雑な病態
        を有する認知症高齢者が多数入院する。      
  実習指導者:同病院に所属する老人看護専門看護師 後藤慶氏、ならびに高齢者看護学を専門とする指導教員がスーパーヴィジョンを行う。


【学習の方法】
・受講のあり方
北村山公立病院において、高度実践看護実習と、老人看護専門看護師役割実習を通し、老人看護専門看護師の活動と看護実践について習得します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 高度実践看護の課題解決の実際を、系統的に説明できるように、実習前後の情報整理を、スーパーヴィジョンとの効果的に連動できるようにしましょう。

【成績の評価】
・基準
認定方法:事例に関する分析では、包括的アセスメントとリスク分析、計画立案、実施、評価について認知症の病態、合併する他疾患の病態の理解、治療計画と効果的に連携できる高度実践看護の実施状況、系統的な成果分析力について評価する。
老人看護専門看護師役割実習では、倫理調整、ケア調整、教育・相談活動、実践における看護研究推進能力の修得について、事例を通した各課題のケース分析、実習病棟・体での教育・コンサルテーション・管理活動に関するレポート分析、実習参加姿勢を総合的に評価する。
・方法
目標到達状況の評価、病院・施設における老人看護専門看護師実習に関するケース
レポート、実習への取り組み姿勢


【テキスト・参考書】
山田律子・萩野悦子・井出訓編:生活機能から見た老年看護過程+病態・生活機能関連図、医学書院。
他、実習準備過程において、紹介を行う。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義・演習で学んだ認知症看護の知識基盤、生活機能評価法等を活用し、老人看護専門看護師役割実習、急性期治療を有する認知症高齢者の高度看護実践の看護を、系統的に展開していきましょう。
・オフィス・アワー
佐藤和佳子研究室(医学部部看護学科棟3階)において、木曜日 14時から17時、必要時事前相談で調整し設けます。

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