【授業の目的】
憲法上の権利論への理解を深めるため、最新の憲法判例に焦点をあてて検討し、判例法理の分析を通じて近年の研究状況について、応用的な知識と思考法を習得することを目的とする。
【授業の到達目標】
①憲法上の権利保障に関する理論と思考様式を修得することができる。 ②憲法判例を自ら読解分析し、判決文の考え方を読み取ることができる。 ③修士論文執筆に必要な発展的・応用的な知識と理論を学ぶことができる。
【授業概要(キーワード)】
憲法学、人権論、判例分析
【科目の位置付け】
この授業は、憲法判例について様々な視点から理論的に考察することで、法学・憲法学に関連する研究遂行能力の育成を目指す。
【授業計画】
・授業の方法
①判例分析に関するテキストを基にした講義形式とする。関連判例を受講者と共に読み解きながら、法的思考の発展的修得を目指す。 ②教員からの一方通行の授業ではなく、履修者との質疑応答を重視する。
・日程
1.イントロダクション 2.憲法上の権利論 3.二重の基準論と三段階審査論 4.自由権に関する審査論 5.自由権に関する判例分析 6.法の下の平等 7.生存権 8.選挙権と選挙制度 9.財産権 10.プライバシー保障と制度 11.立法裁量論 12.委任立法 13.私人間効力 14.司法権の概念と法律上の争訟 15.まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
①毎回テキストと関連判例を自分の力で読解する。 ②関連判例がどのような思考によって書かれているかについて、自分なりに分析する。 ③報告する場合には、レジュメを作成し、疑問点や私見をまとめる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事前にテキストを読み、関連判例をじっくり読み解いておく。疑問点や不明な点を調べておくこと。講義で提示された問題について、自分なりに情報収集し見解を考えておくこと。
【成績の評価】
・基準
①憲法判例理論の概要とその論点を適切に説明できることを合格の基準とします。 ②憲法判例理論に関連する概念や基準を正しく理解していることを合格の基準とします。 ③憲法判例理論について、授業を通して得られた知識や思考法に基づいて主体的に考察し、論述できることが合格の基準です。
・方法
中間レポート50点、期末のレポート50点の配点とする。二つの得点の合計点をもって評点とする。
【テキスト・参考書】
参加者と相談の上決定するが、例えば駒村圭吾『憲法訴訟の現代的転回-憲法的論証を求めて』(日本評論社、2013年)を考えている。
【その他】
・学生へのメッセージ
自学自習によってテキストや憲法判例を読み解く姿勢が大切です。積極的に参加してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問に答えるオフィスアワーを、人社2号館3階中島研究室において、木曜日15~17時の間に設けます。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。
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