量子力学Ⅲ
 Quantum Mechanics III
 担当教員:衛藤 稔(ETO Minoru)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年、4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
量子の世界を理解するための理論的な枠組みを整備し、その標準的技術を学ぶ。これまで慣れ親しんだシュレーディンガー方程式による量子力学の記述を一歩抜け出し、ブラ・ケットによる、より一般的な記述方を身につける事、加えて線形代数の基本事項を復習しながら、量子力学の理解をさらに深める事を目的とする。

【授業の到達目標】
1) シュレーディンガー方程式による波動的な量子現象の既述から一歩前進し、量子力学の標準的な考え方・手法を理解できる。【知識・理解】
2) 演算子、ブラ・ケットによる量子力学の統一的な記述方法を理解し、量子力学の問題に適用できる。【知識・理解】
3) 線形代数を量子力学的な観点から再解釈できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
線形代数、ブラ・ケット記法、生成消滅演算子、角運動量の量子化、スピン

【科目の位置付け】
選択したコースカリキュラムの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けている。選択したコースカリキュラム以外の幅広い理学の基礎的知識を身に付けている。(理学部理学科ディプロマ・ポリシー参照)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1)毎回、指定参考書を基に作成したスライドを中心に講義を進める。
2)quantum bit やニュートリノ振動など最先端の内容にも触れる。
3)教員からの一方通行の授業でなく、学生の質疑応答を尊重しそれに合わせて講義を進める。
4)ウェブクラス上で補助解説ビデオ等を公開する。
・日程
第1-3回:線型空間と演算子(線形代数の復習を兼ねて)
第4-6回:ブラ・ケットによる量子力学の記述
第7,8回:調和振動子の生成消滅演算子
第9,10回:角運動量
第11回:角運動量の合成
第12,13回:スピン
第14回:電磁場中の量子力学
第15回:まとめと試験

理解度により進度や内容は変更することがあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)受講前にウェブクラスを通して配信される講義資料を印刷して持参すること(大型のタブレットを持っている場合はそこにダウンロードしても良い。小型携帯端末は不可)
2)持参したスライドに穴埋めやマーキングによって重要事項を整理し理解を深める
3)積極的に質問をして理解を深める
4)講義は対面式を基本とするが、場合によっては非対面方法を用いる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)復習には十分時間(最低でも60分)を掛けること。その際,毎回の講義で学んだことを自分の頭で整理し直し、自分が分からなかったことを把握する。
2)理解が足りていない箇所はまずは自分で参考書を読むなどして理解する。
3)それでも難しい場合は教官もしくは周りの人と議論して理解するように努める。
4)宿題と指定されたレポートは必ずやっておくこと。
5)講義動画をWebclass上で公開する予定なので復習に役立ててください。

【成績の評価】
・基準
1) シュレーディンガー方程式による波動的な量子現象の既述から一歩前進し、量子力学の標準的な考え方・手法を正しく理解できる。
2) 演算子、ブラ・ケットによる量子力学の統一的な記述方法を正しく理解し、量子力学の問題に正確に適用できる。
3) 線形代数を量子力学的な観点から適切に再解釈できる。
・方法
上の基準に基づいて、小テスト20点+レポート40点+期末試験40点の割合で成績をつける。ただし受講人数に応じて若干変更する場合もありえますが、その場合は別途指示します。

【テキスト・参考書】
参考書:猪木 慶治 ・ 川合 光,“基礎 量子力学”ISBN-10: 4061532405 ISBN-13: 978-4061532403(講談社 (2007/10/12)) 言語 日本語
参考書:猪木慶治,河合光,“量子力学I,II”,ISBN 4-06-153209-X,4-06-153212-X,(講談社,東京)

【その他】
・学生へのメッセージ
量子力学は現代物理学の華です。ブラ・ケットというとても便利な道具の使い方をマスターし、一歩進んだ量子力学の理解を獲得してください。
・オフィス・アワー
原則として 火曜日 15:00-17:00とします。(出張等で不在の場合もあります)

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