工業技術概論
 Introduction to Industry
 担当教員:仁科 辰夫(NISHINA Tatsuo)、立花 和宏(TACHIBANA Kazuhiro)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):仁科辰夫:株式会社本田技術研究所にて1年間研究開発に従事、1992年~ (財)日本規格協会 品質管理と標準化セミナー講師・現東北教室教務主任
立花和宏:大日本印刷株式会社にて4年間研究開発に従事
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:教職科目(工業)・必修 
【授業の目的】
高校工業の視点から、工学部で履修する科目の内容を俯瞰する。専門の物質化学分野では触れにくい製図や機械、電気や電子と言った内容にも触れることで、工業全体に視野を広げる。
工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得し、現代社会における工業の意義や役割を理解するとともに、環境に配慮しつつ、工業技術の諸問題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を身に着ける。
工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術の存在を把握し、将来教職に就いた際には、必要に応じて自らを研鑽し、生徒に授業として提供することができる。

【授業の到達目標】
1)工業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術の存在を把握し、将来教職に就いた際には、必要に応じて自らを研鑽し、生徒に授業として提供することができるようになる。
2)三面図は英語以上の世界共通語であり、これを正しく描くことができるようになる。
3)紙飛行機の設計・製図・製作・飛行試験を行い、機械的な設計・製図を体験するとともに、加工法や接着技術、各部品の役割と力学的な強度と重心のバランスの意義、飛行試験を通しての観察の意義と現状把握・問題点の抽出、さらなる改良に向けたフィードバックを体験として理解し、活用できるようになる。
4)電子回路の回路図を作成し、これを各部品の実寸に合わせた配線図に落とし込み、ハンダ付けによる製作と動作確認ができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
工業;物質;機械;材料;電気;電子;高分子;情報

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
教育職員免許状の高等学校教諭一種免許状(工業)の資格取得に必要な科目である。工業全般について、その全貌を概観し、生徒に教えることができる能力を養う。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
工業高校の教科書と同じものを使用し演習や実習を交えながら講義を行う。教職関連科目であるので模擬授業も取り入れる。機会があれば外部講師を招く。講義の進行は理解度や実習の進捗にあわせて柔軟に行う。
・日程
以下のテーマとともに進捗する。
1.工業の歴史と現代の生活
2.三面図と各種工具、材料等の規格
3.身近なものを三面図に描く(実習)
4.描いた三面図を用いた模擬授業
5.模型飛行機の設計製図
6.模型飛行機の三面図を用いた模擬授業
7.模型飛行機の製作(実習)
8.模型飛行機の試験飛行と改良
9.機械工場見学による工作機械の実地体験
10.電子回路記号と回路図概論
11.FMワイヤレスマイクの設計・製図(実習)
12.電子部品の調達とコスト
13.FMワイヤレスマイクの部品配置と配線図(講義と実習)
14.ハンダ付けによるFMワイヤレスマイクの製作(実習)
15.FMワイヤレスマイクの動作確認と不具合の発見・修理

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
品質管理、情報処理概論などの関連科目は必ず受講すること。
教師ができないことを生徒に教えることは不可能である。
欠席することは、自らの権利を「放棄」することを意味する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教職を意識して、自分で説明できるだけではなく、自分が手本となるように各種実技ができるようにすること。工学を志す以上、簡単な工具やテスターなどの測定器、関数電卓は持っていて当たり前、道具を使いこなせないエンジニアなんてありえない。これを正しく認知すること。

【成績の評価】
・基準
1. 工業の各分野に関する知識と技術身に着け、手本を示しながら生徒に授業として提供することができる。
2. 三面図正しく描くことができる。
3. 機械的な設計・製図ができ、加工法や接着技術、各部品の役割と力学的な強度と重心のバランスの意義、観察の意義と現状把握・問題点の抽出、さらなる改良に向けたフィードバックを活用できる。
4. 電子回路の回路図を作成し、これを各部品の実寸に合わせた配線図に落とし込み、ハンダ付けによる製作と動作確認ができる。
・方法
三面図の作成(20点)、模型飛行機の設計・製図(20点)・製作・試験飛行(20点)、FMワイヤレスマイクの回路図・配線図の作製(20点)・製作・動作確認(20点)とし、各項目ごとの模擬授業と提出物・製作物によって評価する。評価は
100点=学習成果を十分に活用し、内容も充実しており、かつオリジナリティが高いもの、
90点=学習成果を十分に活用し、内容も充実しているもの、
80点=学習成果を十分に活用したもの、
70点=学習成果の活用がやや生かせなかったもの、
60点=学習成果の活用が生かせなかったが、十分な努力が認められるもの

【テキスト・参考書】
以下テキストを使用する。
山下省蔵 ほか著、「工業技術基礎」、実教出版

【その他】
・学生へのメッセージ
原則対面授業です。遠隔授業に切り替わった場合、WebClassからリンクされたオンライン会議システムで授業します。
三面図は英語も遠く及ばない世界共通語である。これをできずしてエンジニアを名乗る資格はない。電子工作や機械加工、木工、金属加工、制御などは工業の基本。これもできないのに、工業を語る資格はない。
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、月曜日16:00~17:00、9号館9-300-3にて。

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