【授業の目的】
日常生活で「~は怒りっぽい」や「~は心配性だ」といったように,感情を表すことばを用いて個人のパーソナリティをおおざっぱに理解することは少なくない。この時に,“あの人のどこに注目してそう判断したのだろう”や“あの人はいつもそうなのか”や“そもそもなんで怒り/心配が生じるのだろうか”などまで考える人は少ないかもしれない。本授業では,感情が生じる仕組み,感情が認知,行動,発達,健康に及ぼす影響に加え,パーソナリティの捉え方やその形成プロセスを学ぶことを通して,人の感情やパーソナリティを多面的に捉えようとする態度を身につけることを目的とする。
【授業の到達目標】
本授業の到達目標は,次の4点である。 1.感情に関する諸理論を対比でき,感情の生起過程を判断できる 2.感情が認知,行動に及ぼす影響を判断できる 3.パーソナリティの概念とその形成過程を関連づけることができる 4.パーソナリティの類型や特性を対比でき,判断できる
【授業概要(キーワード)】
感情,パーソナリティ,知的機能
【科目の位置付け】
本授業は,地域社会における心身の健康に関する諸課題についての基本的知識を身につけるための科目であり,公認心理師の受験資格に関わる単位である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いて,人の感情と人格の性質や仕組みに関する心理学の講義を行う。適宜,質疑応答の時間を設けたり,講義を通して学んだことの感想を求めたりする。
・日程
(順番が入れ替わったり,内容量によっては次回授業に持ち越すこともあります) 第 1回目 講義の進め方とガイダンス(感情の基礎) 第 2回目 感情の生物学的基礎 第 3回目 感情の理論(1):末梢起源説,中枢起源説,二要因説などの古典的理論 第 4回目 感情の理論(2):基本情動理論,認知的評価理論などの現今の主要理論 第 5回目 感情と認知,行動 第 6回目 感情の測定 第 7回目 感情と発達 第 8回目 感情と心身の健康 第 9回目 パーソナリティの理論①:類型論,特性論,因子論 第10回目 パーソナリティの理論②:相互作用論,新相互作用論,社会的認知理論 等 第11回目 パーソナリティの形成と変容 第12回目 知的機能の個人差 第13回目 パーソナリティの測定方法 第14回目 パーソナリティ障害 第15回目 授業の振り返りと試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
主に講義形式の授業であるため,ノートテイキングを通した内容理解に努める。講義内で質疑応答を設ける場合もあることから,自らの考えを発表するよう努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義資料は全てwebclass上にアップロードするため,事前にダウンロードすることで予習は可能である。また,講義資料や【テキスト・参考書】に示す文献を授業前後に読むことによって,授業内容の理解を深めることを期待する。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した「感情に関する諸理論およびその生起過程」,「パーソナリティの類型や特性」を対比・判断できることに加え,「感情が認知,行動に及ぼす影響」を判断でき,「パーソナリティの概念とその形成過程」を関連づけることができることを合格基準とする。
・方法
各授業回への出欠確認のための小テスト(配分20点)と期末試験(配分80点)で評価する。なお,小テスト全体(10~12回程度実施予定)の2/3以上に回答し,かつ期末試験を受験すること。小テストの受験が全体の2/3未満あるいは期末試験未受験の場合は不合格とする。小テストはwebclass上にて一問一答形式で行う。
【テキスト・参考書】
以下の文献を参考にした講義資料を配布する予定。 ・榎本博明・安藤寿康・堀毛一也 (2009). パーソナリティ心理学 人間科学,自然科学,社会科学のクロスロード 有斐閣アルマ ・大平 英樹 (編) (2010). 感情心理学・入門,有斐閣 ・小塩 真司 (2010). はじめて学ぶパーソナリティ心理学 個性をめぐる冒険 ミネルヴァ書房 など ・杉浦 義典 (編) (2020). 公認心理師の基礎と実践⑨ 感情・人格心理学 遠見書房 ・鈴木公啓・荒川歩・大幡直也・友野隆成 (2018). パーソナリティ心理学入門 ストーリーとトピックで学ぶ心の個性 ナカニシヤ出版 など
【その他】
・学生へのメッセージ
まずは,授業内容から基礎知識を習得してください。その上で,疑問に思った点について,質問したり,調べたりして,主体的に学習を深めていくことを期待します。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問に答える時間として,下記の場を設けます。確実に面談したい場合には,授業後にお声がけいただくか,事前にメールでお問い合わせください。 地域教育文化学部棟1号館5階506室(月曜日12:00-13:00※) ※上記以外の曜日でも在室していれば対応します
|