人間文化入門総合講義
 Overview of Human Sciences and Cultural Studies
 担当教員:山﨑 彰(YAMAZAKI Akira)他
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人間文化コースは5つのプログラムからなり、多種多様な学問分野を包摂しています。本講義では5つのプログラムについて,それぞれの学問の「美味しいところ」をアラカルト風に紹介します。

【授業の到達目標】
1.人間文化コースの各学問領域の特色や全体像を理解できる。
2.人間文化コースの学問体系を理解できる。

【授業概要(キーワード)】
人間文化,文化人類学,歴史学,認知情報科学,日本学,文化解釈学

【科目の位置付け】
この授業は,人間文化コースの多様な教育分野の視点について学習する専門導入科目である。

【授業計画】
・授業の方法
5つのプログラムの担当教員が,それぞれの視点から独自のテーマを設定し,各プログラムの研究内容の一例を分かりやすく講義します。
・日程
第1回 10月7日
・ガイダンス(山崎彰)
第2回 10月14日
・文化人類学プログラム(伊藤晶文)
・題目:地形と人間―自然とのうまい付き合い方を考える
・概要:地形(=人間生活の場所)の成り立ちを理解することの重要性について、自然災害を事例にあげながら説明します。
第3回 10月21日
・歴史学プログラム(中村篤志)
・題目:モンゴル遊牧社会の過去と現在:家族の「絆」と「近代化」をめぐって
・概要:モンゴル遊牧民の「家族」を例に、「伝統」とは何か、「近代化」とは何かを考えます。
第4回 10月28日
・認知情報科学プログラム(本多薫)
・題目:使いやすく快適な情報機器とは?
・概要:使いやすく快適な情報機器(パソコンやスマートフォンなど)を作るのにはどうしたらよいのかを解説します。
第5回 11月4日
・文化解釈学プログラム(石澤靖典)
題目:西洋美術のなかの日本
概要:ヨーロッパにおける日本文化の受容について、さまざまな美術作品を通して考
察します。
第6回 11月11日
・日本学プログラム(生田慶穂)
・題目:連歌はなぜ中世に大流行したのか
・概要: 貴族・武士・庶民に至るまで中世の人々は連歌に夢中でした。その理由と社会的機能について講義します。
第7回 11月25日
・文化人類学プログラム(山本睦)
・題目:文化人類学のすすめ
・概要:異文化社会を研究する文化人類学は、我々が現代社会を生きる上で、どのように役立っているのかについて考えます。
第8回 12月2日
・人間文化コース各プログラムの教員
・題目:人間文化コースの研究領域の紹介
・概要:2年生になって所属するプログラムを考える判断材料を提供します。
第9回 12月9日
・日本学プログラム(森岡卓司)
・題目:夏目漱石「こころ」からみる日本近代文学研究
・概要:高校までの「国語」の授業とは少し違うやり方で、日本近代文学の代表作を読んでみます。文学を研究することの広がりと深さを体験してみましょう。
第10回 12月16日
・文化解釈学プログラム(清塚邦彦)
題目:心の哲学を考える
概要:自分や他人の心を理解するとはどういうことか、哲学の立場から考えてみます。
第11回 12月23日
・認知情報科学プログラム(小林正法)
・題目:記憶・感情の行動科学
・概要:記憶や感情といったトピックを中心に行動科学の講義を行います。
第12回1月13日
・文化人類学プログラム(松本雄一)
・題目:アンデス考古学
・概要:巨大な神殿、ナスカの地上絵、マチュピチュなどを作り出した、中央アンデス地域の先史社会について考えます。
第13 回 1月20日
・文化解釈学プログラム(大久保清朗)
・題目:映画とは何か
・概要:アンドレ・バザンの批評を手がかりに、映画の特性について考えてみます。
第14回 1月27日
・認知情報科学プログラム(大杉尚之)
・題目:心のエラーを科学する
・概要:錯視,見落とし,嘘の記憶,バイアスなど,私たちが陥りがちな失敗から 心(認知)の仕組みの「癖」を学習します。
第15回 2月3日 
・歴史学プログラム(山崎彰)
・題目:中世ヨーロッパと現代世界
・概要:20世紀のヨーロッパ現代史を振り返るとともに、中世ヨーロッパ世界に
ついて学ぶ意義を考えます。
・レポートについての説明

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自分の興味ある分野だけをつまみ食いするのではなく,講義全体を通して聴き,人間文化コースの多様さと多彩さを等しく知ってください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
興味のある分野については,参考文献を読んだり,何か調べてみたり,疑問を持ったりするような積極的姿勢が求められます。規定によるならば30時間の授業外時間の学習が必要とされていますが、それをはるかに上回る時間を、人文科学の学習にあてて下さい。


【成績の評価】
・基準
12名の担当教員が,学期の終わりにそれぞれ1つの課題を出します。受講者は,その課題の中から1つを選択し,それについてレポートを書くことになります。出席とリアクションペーパーによって(主体的な参加の度合いと知識の修得の度合い)、レポートの執筆によって講義で得た知識を活用して論文を執筆する能力(理解の度合いと汎用的技能の修得の度合い)を評価します。レポートの内容から「人間文化コースの各学問領域の特色や全体像を理解できる」,「人間文化コースの学問体系を理解できる。」という到達目標に達している場合に合格基準を満たします。成績評価は,3分の2以上の出席があることが前提です。
・方法
「主体的な参加の度合い」「知識の修得の度合い」「理解の度合い」「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力など)」から評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:各講義で資料が配付されます。
参考書:それらの資料で参照される書籍や文献などを参考にしてください。


【その他】
・学生へのメッセージ
毎回の出欠確認は,カードリーダーによる出欠情報システムを利用して行います。学生証を忘れずに持参してください。
(実際に出席していたかを確認するために授業の最後に改めて出欠をとることがあります。出欠が一致しない学生には厳正に対処します。)
・オフィス・アワー
担当教員それぞれのオフィスアワーについては,それぞれの教員が開講している他の授業のオフィスアワーの時間帯・場所を参照してください。

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