内陸アジア史概論
 Introduction to Inner Asian History
 担当教員:中村 篤志(NAKAMURA Atsushi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
この授業では、遊牧と定住・都市をキーワードに、内陸アジアの王朝や社会の特徴を通時代的に学ぶ。「定住」や「都市」は、遊牧とは相反するようであるが、実は内陸アジア史における重要な要素であった。
本年度は、主にモンゴル帝国時代までを対象に、モンゴル高原における都市の成立過程とその歴史的意義について学ぶ。
 

【授業の到達目標】
(1)内陸アジア史に関する通時代的知識や、講義で設定した重要なキーワードについて深く理解し、論理的に記述することができる。
(2)講義を手がかりに、自分でテーマを決め文献を調べ、分析することができる。

【授業概要(キーワード)】
モンゴル史,遊牧民,都城,カラコルム

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:51~75%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業は、内陸アジア遊牧民族史を手掛かりに、世界から地域に至るまでの様々なレベルの文化や社会制度に関して学び、現代的市民としての領域横断的な教養及び他者(異文化)を受容する能力を身に付けるための科目です(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
基本的には講義形式で行うが、受講者からのコメントに応じて柔軟に内容を調整する。
・日程
第1回:「モンゴル」とは?
第2~3回:モンゴルの気候・風土、現代遊牧民の暮らし
第4~6回:遊牧帝国の形成とその特徴(スキタイと匈奴)
第7~8回:「シルクロード」とソグド人
第9~11回:ウイグルからモンゴルへ:カラコルム建設への道
第12~14回:モンゴル帝国における情報ネットワークと人の移動
第15回:まとめ 現代モンゴルにおける都市
※講義中、期末レポートに向けて、テーマの設定の仕方、文献の調べ方、まとめ方などを学ぶ回を設けます。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内容をきちんと復習し、不明な点は積極的に調べ質問すること。紹介された参考文献を中心に、できるだけ多くの文献を読むこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)単元毎の課題コメントで授業内容の理解度を確認します。ほかの学生のコメントも参考にして、理解が不足している部分は自分で調べ補ってください。
2)課題コメントを発展させ、期末レポートに向けて自分でテーマを決めて文献を調べ、分析を進めてください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した2つの目標に対応し、下記の2つの条件を満たすことを合格の基準とします。
1)内陸アジア史に関する通時代的知識や、講義で設定した重要なキーワードについて深く理解し、論理的に記述することができる。
2)講義を手がかりに、自分でテーマを決め文献を調べ、分析することができる。
・方法
主に毎回の授業における課題コメントの内容を評価する(50%)、基準2については学期末レポートで評価する(50%)。

【テキスト・参考書】
各回の授業資料についてはWebClassにアップロードします。
以下は講義で取り上げる参考書です。
林俊雄『スキタイと匈奴:遊牧の文明(興亡の世界史)』講談社、2007年
森安孝夫『シルクロードと唐帝国(興亡の世界史)』講談社、2008年
白石典之『モンゴル帝国誕生:チンギス・カンの都を掘る』講談社、2017年

【その他】
・学生へのメッセージ
講義ではありますが、半分演習のような、自分で考え、調べることを重視します。もちろん、考え方、調べ方、まとめ方は授業中に丁寧に教えていきます。
自分で考え、調べる力を身に付けたい方、歓迎します。
・オフィス・アワー
火曜日 14時40分~16時20分 中村研究室(人文棟1号館4階)

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