倫理学概論
 Introduction to Ethics
 担当教員:松本 大理(MATSUMOTO Dairi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
西洋倫理思想史上の様々な倫理的問題と、それに対する多様なアプローチの特徴を理解し、その現代的意義を洞察する。現代文明が抱える様々な倫理的課題を理解した上で、それについて思考するために伝統的倫理思想の理解と吟味が不可欠であることを確認する。

【授業の到達目標】
正義、幸福、快楽、悪と救済、自由、意志といった問題が、繰り返し様々な角度から問題化されていることを学び取り、「倫理」のもつ問題性そのものを、統一的かつ多角的に理解できるようになる。西洋倫理思想史上の様々な倫理的問題と、それに対する多様なアプローチの特徴を理解し、その現代的意義を洞察できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
倫理、哲学、思想史

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,倫理学の問題について論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部カリキュラム・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
西洋倫理思想史の基礎について、おおよそ時代順に概説する。具体的問題の提起とグループ討論等を織り交ぜることによって、できるかぎり現代の具体的状況と倫理思想を結びつけ、また主体的関心を喚起するよう留意する。
・日程
第1回 序論:倫理とは何か(諸問題のなかでの位置づけ、倫理学の学問的特性への示唆)
第2回 古代倫理思想(ソクラテスとプラトンにおける倫理学の始まりについて考察する)
第3回 アリストテレスの倫理思想(アリストテレスの倫理思想の特徴を概説する)
第4回 ストア派とエピクロス派(ヘレニズム期の倫理思想について検討する)
第5回 中世の倫理思想(アウグスティヌスとトマス・アクィナスの倫理思想を概説する)
第6回 イギリス経験論の倫理思想(経験主義の人間本姓、道徳感情の考え方を見る)
第7回 スピノザとライプニッツ(合理主義の倫理思想、神や悪の問題について考察する)
第8回 ルソーとカントの倫理思想(善意志、社会契約、道徳法則と自由について概説する)
第9回 カントとヘーゲルの倫理思想(道徳と倫理、個人と国家、理性と自由について見る)
第10回 実存主義からレヴィナスへ(自己の実存と「他者」の問題を取り上げる)
第11回 功利主義の思想(ベンサムとJ.S.ミルの功利主義とその後の展開について概説する)
第12回 メタ倫理学と徳倫理学(現代倫理学の諸論争を概観する)
第13回 環境と生命と技術(応用倫理学の概説。現代における倫理的問題について考察する)
第14回 自由と正義の問題(現代正義論と共同体主義の論争をもとに、平等や公共性を扱う)
第15回 日本の倫理思想(和辻哲郎の問題提起を通して日本の倫理思想について考察する)。定期試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
質問や議論を通して積極的に授業に参加する。つねに具体例を考えながら理解する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,以下の課題等を課します。単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。
2~4時間/週
2)授業中に言及した文献を図書館等で探して手に取り、目を通すようにする。

【成績の評価】
・基準
以下の観点に則り、試験・レポート・発表および討議での発言内容等を中心に、総合的に判断し評価する。
・「倫理」についての様々な解釈やその意義を理解しているか
・「倫理」についての思想史的知識を現実の諸問題に結びつけ、多角的に考察できるかどうか
・倫理学的なものの見方に親しみ、試験やレポートに学習成果を反映できるかどうか
・批判的な思考・討議の方法を身につけているかどうか
・方法
中間試験・レポート・発表の評価(40%)、期末試験・レポートの評価(40%)、ディスカッションにおける発言内容・貢献度等(20%)を基本として、その他の要素も加味し総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
テキスト・参考書については、特に指定せず、必要に応じて授業中に指示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
質問や議論を通して積極的に授業に参加するようにしてください。つねに具体例を考えながら理解するようにしてください。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーおよび連絡先については、授業中に周知をおこないます。

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