芸術文化基礎演習
 Introductory Seminar on Art Culture
 担当教員:石澤 靖典(ISHIZAWA Yasunori)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「西洋近代美術を見る眼」
19世紀以降のヨーロッパでは、美術の世界に大きな変革がもたらされました。それまで主流だった主題(キリスト教絵画や神話主題など)が否定され、同時代の風俗や芸術家個人の意識を強く反映させた、オリジナリティの強いテーマが積極的にとりあげられるようになりました。この授業ではこうした新たな西洋美術の枠組みがどのように形成され、現代にいたるまで発展させられたかについて、テキストの読解を通じて学びます。

【授業の到達目標】
近代美術の様式的特徴や基本的なテーマを理解することができるようになります。

【授業概要(キーワード)】
近代美術 抽象画 都市景観 ブルジョワジー

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:76~100%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この授業は、文化的諸問題について西洋美術史の観点から論理的に分析し、解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
毎回、担当者は以下の二つの作業をおこないます ― ① テキストのなかの一章または一部について報告をおこないます。② その内容を発展させ、自分の関心から選んだ作品について具体的な分析や解釈を提示します。その後、受講者全員でディスカッションをおこない、議論を深めてゆきます。また参加者はそれぞれの発表に対してコメントカードを記入し、提出します。
・日程
受講者の数と関心にしたがって日程を決定します。
テキストでは以下のテーマが取り上げられています。
物語表現の変容
現実の表象
幻視の世界
空間と平面
色彩と筆触
抽象と超越性
引用と遊戯性
制度と運動
異文化の受容、逸脱の系譜
絵画という枠組み

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表者は割り当てられたテーマとそれにかかわる代表的作例をできるだけ調査し、ディテールをよく観察することが求められます。ある程度の文献調査も必要ですが、それ以上に自分なりに作品の特徴をとらえ、わかりやすく論述することが重要です。また他の履修者には議論への積極的な参加が望まれます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
受講者は毎回、テキストの該当部分をしっかり読んできてください。たとえ発表担当の回でなくとも、関連する作品や文献を自分なりに調査し、あらかじめ疑問や発展的意見をまとめたうえで授業に臨むことが望ましいです。ディスカッションの内容をもとに、最終的に自分の論がレポートのかたちになるまで検討してください。

【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1) 西洋近代美術史の諸問題を理解することができる、2)自分なりに問題を発展させ、議論を展開させることができる、の二点です。
・方法
授業への意欲的な参加(30%)、発表内容(40%)、学期末のレポート(30%)に基づいて評価します。

【テキスト・参考書】
三浦篤『まなざしのレッスン-2.西洋近現代絵画』、東京大学出版会、2015年。基本的に購入を義務とします。参考書は随時、授業で紹介します。

【その他】
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)石澤靖典研究室(1号館4階)

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