表象文化基礎演習
 Introductory Seminar on Representational Culture
 担当教員:柿並 良佑(KAKINAMI Ryosuke)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
表象文化論への理解を深めるため、われわれにとって身近な文化事象に焦点をあてて検討し、研究発表と議論を通じて、基礎的な知識を得ることを目的とする。

【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は
①「表象」という観点からさまざまな作品を分析することで、ただ「内容」を享受するだけではなく、その「内容」を支える思考枠組みそのものを批評的に分析・再検討する基礎的な知識を身につけることができる。
②その知識をもとに発表を行い、議論に参加することができる。
③修得した知識・方法論を、論理的な文章によって表現することができる。

【授業概要(キーワード)】
声、身体、イメージ、テクスト 記号 文学 小説 絵画 写真 映画 マンガ アニメ 表象

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:51~75%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
この授業は,文化について表象の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力
を身につけるために編成される科目である(人文社会科学学部人間文化学科のカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
テーマ毎に基本文献(論文等)を指定するので全員に読解してきてもらいます。その上で担当する受講者による発表(解題)と、それをめぐる議論によって進行します。
本演習では複数回、ゲスト講師による講義・演習を含みます。
・日程
受講者の数と関心にしたがって日程を決定します。
以下に大まかなスケジュールを挙げますが、参加者の理解度によって変更の可能性があります。
受講予定の者はどういった発表ができるか考えておくこと。
表象文化論という分野でよくとりあげられるテーマとして、身体、声、イメージ、メディア、パフォーマンスを挙げておきます。

第1回 オリエンテーション
第2回 ブレインストーミング(全員参加型)
第3回 基礎文献購読、解題
第4回~第14回 受講者による個別発表
第15回 まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自分の関心を踏まえつつ、積極的に発表と議論にのぞむこと。自分の担当回以外でも指定されたテキストがある場合には必ず読んでから授業に来ないと出席の意味が大幅に減じられます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業外学習時間の目安は週1時間です。充分な時間をかけて発表の準備をすること。担当教員がアシストします。
報告後は、授業参加者からのコメントカードなどによって議論の内容をふりかえり、自分の意見とつきあわせてみましょう。

【成績の評価】
・基準
発表においては、基礎となる知識の確実性(到達目標①)を踏まえて、着眼点と論理展開のユニークさを評価します。議論においては、積極性を評価します(目標②)。レポートにおいては、発想の独創性と論理の明快さを評価します(目標③)。
・方法
以下の配分で評価します:発表40%、学期末レポート40%、議論への参加度20%

【テキスト・参考書】
参考書
・廣野由美子『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 』中公新書、2005年。
・丹治愛(編)『批評理論』講談社選書メチエ、2003年。
・渡辺守章・渡辺保・浅田彰 (編)『表象文化研究―文化と芸術表象』放送大学教育振興会、2002年。
・渡辺保・小林康夫・石田英敬(編)『表象文化研究―芸術表象の文化学』放送大学教育振興会、2006年。
・石田英敬『現代思想の教科書』ちくま学芸文庫、2010年。
・小林康夫・松浦寿輝(編)『表象のディスクール』全6巻、東京大学出版会、2000年。

【その他】
・学生へのメッセージ
自分の発表だけでなく、他の人の発表もよく聞き、質問や意見を述べる姿勢が大切です。
・オフィス・アワー
研究室在室時は随時対応します。詳細は第一回目の授業で説明します。

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