行動科学概論
 Introduction to Behavioral Science
 担当教員:小林 正法(KOBAYASHI Masanori)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
行動科学は,人間の行動を様々な分野を横断し(学際的に)理解しようとする科学です。したがって,行動科学は行動を扱う学問である社会学,経済学,心理学,健康科学などとも隣接します。本授業では,行動に関して,生物学的基盤,経験(記憶),感情,意思決定(行動経済学),自己制御,個人差,社会,健康といったトピックを中心に概観します。様々な行動がどのような状況でどのように生じ,変容するのかについての理論や知見を紹介し,行動科学における基礎的知識の獲得と理解を目指します。

【授業の到達目標】
1. 各テーマにおける行動の基礎的知識を獲得し説明できるようになる【知識・理解】
2. 行動に関わる認知・感情過程や行動の生起・変容に関わる理論やメカニズムについて,理解し説明できるようになる【知識・理解】
3. 日常生活や社会的出来事で見られる様々な行動について,行動科学の視点から理解し議論できるようになる【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
行動 意思決定 感情 学習 個人 社会 経済 健康 社会学 経済学 心理学 健康科学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
行動科学を概観することを通して,社会で活躍するために必要な知識と教養を身につけ,人文社会科学の高度な「専門知」を獲得し、論理的な思考能力を養うための科目です(人文社会科学部カリキュラムポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
08.働きがいも経済成長も
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
スライドを用いた講義方式で実施します。スライドは資料として配布します。
・日程
第1回 ガイダンス
第2回 行動科学と研究手法
第4〜5回 生物学的基盤
第6〜9回 経験(記憶)・感情・自己制御
第10〜12回 個人差・意思決定(行動経済学)・社会
第13〜14回 健康
第15回 まとめとテスト

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
行動科学は学際的分野であるため,各テーマで取り上げる内容が異なりますが,各テーマ間で共通する点や独自な点が含まれます。したがって,毎回の出席はもちろんのこと,テーマごとに,理解が難しい点や疑問点については,復習や教員への質問を活用することで解消し,授業に臨むことを期待します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
日々の生活では,自分自身が健康行動や購買行動といった様々な行動をとるだけではなく,他者の行動を見聞きしたり,自身が影響を受けたりする場合もあります。このように,行動は生命の維持,社会的関係の構築,経済活動など,日常生活に大きく関わっています。したがって,授業で学んだ内容を参考に,ニュースや日常生活で見られる様々な場面での行動やその意思決定過程について関心を持って過ごしてみてください。

【成績の評価】
・基準
授業への参加の度合いを前提とした上で,小レポートとテストを基準とします。小レポートによって,各テーマにおける基礎的知識を理解できているか,それらの知識を用いて,日常場面で見られる行動を議論できるかという点から,到達目標(1)(3)の到達度を部分的に評価します。学期末テストによって,各テーマにおいて扱った行動に関する現象や理論,その背景にある意思決定過程について,専門用語を用いて適切に説明できるかどうかという点から,到達目標(1)(2)の到達度を総合的に評価します。
・方法
以下の3点から100点満点で評価します。

参加の度合い:15点
小レポート:20点(10点×2)
期末テスト:65点

【テキスト・参考書】
・参考書
- 認知心理学会(編) 記憶と日常 北大路書房 3960円
- 内山伊知郎(監) 感情心理学ハンドブック 北大路書房 8800円
- 久住眞理(監) 行動科学概論 2008 人間総合科学大学 2000円
- 長谷川寿一・長谷川真理子(著) 進化と人間行動 2000 東京大学出版会 2500円
- 子安増生・西村和雄(著) 経済心理学のすすめ 2007 有斐閣 2700円
- 大竹恵子(編) 保健と健康の心理学:ポジティブヘルスの実現 2016 ナカニシヤ出版 3400円

【その他】
・学生へのメッセージ
認知情報科学プログラムに所属する学生は本科目を受講してください
・オフィス・アワー
授業時間外に質問を受け付けるオフィスアワーを水曜日の12:00〜13:00に設けます(人文社会科学部4F小林研究室)。
会議や出張などで不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前の予約をお願いします。

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