日本近代史特殊講義b
 Topics in Japanese Modern History(b)
 担当教員:小幡 圭祐(OBATA Keisuke)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
歴史学が考察の対象とするのは、世の中に大きな影響を与えたであろう政治・文化・社会的な事物が中心です。しかし、そのような事物から構築された歴史像(例えば高校の日本史の教科書が描く歴史像)からは単純には説明することができない事象も数多く存在します。本授業では、山形県出身の人物、もしくは山形県に関係の深い人物を素材として、人物史という方法により上記の問題点を克服し、日本近代史への認識を深める視座を獲得することを目的とします。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
1)近代の山形県において活動した人物やその人物にまつわる出来事について説明することができる【知識・理解】
2)個々の人物が行った活動が持つ歴史的意義を時代背景を踏まえたうえで考察することができる【態度・習慣】
3)得られた知識・態度を基礎に、自身の考えを文章に表現することができる【技能】

【授業概要(キーワード)】
日本近代史,人物史,山形県出身の人物,山形県に関係の深い人物

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この授業は、山形県の地域で活躍した人物の歩みを歴史学的に考察することを通じて、現代的な課題、特に地域の課題に関して関心を持つとともに、人文社会科学の専門領域(歴史学)について中核となる学術的成果を修得し、これに関して問題を発見し、論理的・批判的思考の結果を意見としてまとめることができる能力を培うを目的とする専門展開科目です(人文社会科学部のディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
授業の前日までにWebClassでレジュメ(PDF)を配付します。授業にパソコン・タブレットなどの持ち込みを許可しますので、授業中にレジュメ(PDFあるいはそれを印刷したもの)を閲覧できるようにしておいてください。レジュメをもとに、スライド(パワーポイント)を使用しながら授業を進めます。授業終了後にWebClassを通じて授業のコメントを提出してもらいます。
第1回・第2回はガイダンス・人物史に関する方法論を説明します。第3回~第7回は近世にさまざまな身分にあった人々が近代に入ってどのような役割を果したのか、第8回以降は近代の大まかな時代の流れからは捉え切れない特徴的な人物を取り上げその人物の活動の歴史的意義を考察します。
・日程
第1回 ガイダンス / 第2回 人物史の射程・人物について調べる / 第3回 近世から近代へ① 大名 水野忠精 / 第4回 近世から近代へ② 士 中條政恒 / 第5回 近世から近代へ③ 農 鈴木宗尹 / 第6回 近世から近代へ④ 工 原口祐之 / 第7回 近世から近代へ⑤ 商 長谷川吉郎次 / 第8回 近世から近代へ⑥ 女性 / 第9回 近代山形の個性① 「鮭」だけじゃない 高橋由一 / 第10回 「庄内柿」の祖 酒井調良 / 第11回 近代山形の個性③ 「文翔館」の生みの親 中條精一郎 / 第12回 近代山形の個性④ 日記を残した農民 後藤善治 / 第13回 近代山形の個性⑤ 大正の女性文豪 宮本百合子 / 第14回 近代山形の個性⑥ 山形出身の総理大臣 小磯国昭 / 第15回 近代山形の個性⑦ 郷土史と演劇の間 後藤嘉一・後藤ひろひと
※各回の授業で取り上げる人物については変更する可能性があります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
各回の授業で取り上げる人物を通じて山形県の歴史に関心を持ちましょう。また、個々の人物の活動と時代背景を合わせて理解することの意義を考えながら授業に臨みましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、以下の点に留意して授業外における予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)準備学修に必要な学修時間の目安は 4.5時間/週 です。
※大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。
2)各回の授業で取り上げる人物については、授業で関連する文献を紹介するので読んでみましょう。
3)また、参考書に記したウェブサイトから自分の関心のある分野で活躍した山形県出身の人物を探し、関連する文献からどのような活動をしていたのかを調べましょう。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した3つの目標に対応し、下記の3つの条件を満たすことを合格の基準とします。
1)近代の山形県において活動した人物やその人物にまつわる出来事について説明することができる。
2)個々の人物が行った活動が持つ歴史的意義を時代背景を踏まえたうえで説明することができる。
3)講義に積極的に参加し、自発的に意見・問いを発し問題解決に結びつけることができる。
・方法
期末レポート(70点):授業内容にもとづくレポートを課します。レポートの課題は初回の授業で示します。
コメント(30点):各回の授業終了後にコメントの提出を求め、その内容から授業への参加姿勢を評価します(1回の授業につき2点)。たとえ出席したとしても、何もコメントをしなかったり(「特になし」も含む)、内容が当日の授業を踏まえたものでなかった場合は点数を与えません。

【テキスト・参考書】
テキスト:各回の授業でレジュメを配布します。
参考書:下記のウェブサイトから山形県関係の人物の文献を検索できます。
山形県関係文献目録(山形県立図書館)https://www.lib.pref.yamagata.jp/?page_id=333
縣人文庫(山形県立図書館)https://www.lib.pref.yamagata.jp/?page_id=334

【その他】
・学生へのメッセージ
日本近代史の基礎的な知識・時代背景を踏まえることが重要なので、人文社会科学部の専門教育科目「日本近代史概論」を履修したうえで受講することが望まれます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を小幡研究室(人文社会科学部1号館4階)において、月曜日の11:30~13:30に設けます。
※上記時間外においても相談を受け付けますが、その場合は事前に連絡してください。連絡先は初回授業時にお知らせします。

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