ヨーロッパ史特殊講義b
 Topics on European History b
 担当教員:山﨑 彰(YAMAZAKI Akira)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「農村社会史研究の諸問題」
 古代地中海世界が優れて都市的文明であったのに対し、中世以来、近代初頭にいたるまでの西欧社会では農村社会が重要な位置を占めていた。講義ではこのような重要性を踏まえ、西欧農村社会史をめぐって3つの問題を中心に論じる。第1は、農業にみられる自然環境利用のヨーロッパ的な性格を明らかにすることを目的とする(第1章)。第2に、ヨーロッパ社会の基本形態ともいえる村落社会の構成を説明することを目的とする(第2章)。第3に、近代社会とともに変貌する農村社会の転換過程を説明することを目的とする(第3章)。各章ともに、比較史的な検討を重視する。

【授業の到達目標】
ヨーロッパ人の自然利用方法、社会関係、政治的態度を歴史学的に学び、これをつうじて、ヨーロッパ社会の基本的特性を比較史的な考察の中で理解し、説明できる。

【授業概要(キーワード)】
ヨーロッパ史 農村社会史 日欧比較史

【科目の位置付け】
カリキュラムポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 テーマについての解説が中心となるが、出席カード(質問票)に記載された質問に関する質疑の時間もとる。
・日程
序章 現代ヨーロッパ社会と農村(1回)
第1章 ヨーロッパ農業の特性(2~3回)
 1.農耕の起源     2.ヨーロッパ農業の諸形態
 第2章 西欧農村社会の基本形態(4~9回)
 1.村落と教会、祝祭  2.領主制の諸形態
 3.農村住民の階層分化 4.比較史的考察-ロシア、日本の近世農村との比較
第3章 近代における農村社会の変貌(10~15回)
 1.経済社会の形成   2.農法改良と土地制度の変革-英と大陸諸国
 3.農村結社と政治-英・仏・独の近代政治構造と農村社会

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
オリエンテーションの際、詳しく授業計画全体を説明するので、各回に扱われている部分が全体の中でどのような位置にあるのか、常に確認する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
ヨーロッパ史や農村史の概説書や専門書を読む。参考文献については、オリエンテーションの際に示す。これらの読書のために、最低でも学期中30時間はかけてください。


【成績の評価】
・基準
レポートは、堀越宏一『中世ヨーロッパの農村世界』(山川出版社・世界史リブレット)によって、中世ヨーロッパ農村社会の基本的特性の理解度を確認する。期末試験においては、講義の基本的な内容が理解できているかどうかを重視する。内容理解の正確さが問われるが、自学自習の成果によって、講義の趣旨とは異なった理解、説を提示している場合は、さらに高く評価することも大いにありうる。
・方法
レポート(20点)期末試験(80点)。期末試験を受けるためにはレポートの提出と、3分の2以上の出席数が必要。


【テキスト・参考書】
【参考書】  
堀越宏一『中世ヨーロッパの農村世界』山川出版社
大塚久雄『共同体の基礎理論』岩波現代文庫
マルク・ブロック『フランス農村史の基本性格』創文社
デュルメン『近世の文化と日常生活 2 村と都市』鳥影社
肥前栄一『比較史のなかのドイツ農村社会』未來社

【その他】
・学生へのメッセージ
 18世紀までのヨーロッパでは農村社会の役割は圧倒的でしたが、現代のヨーロッパ社会でも農村は魅力的で欠かせない一部です。
・オフィス・アワー
・オフィス・アワー 
火曜日 10時30分~12時10分(山崎研究室)。研究その他、気になることがあれば気軽にお訪ねください。

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