【授業の目的】
連歌は、中世に大流行した共同制作の詩で、和歌を起源とし、のちに俳句(俳諧)へと発展した。連歌をとおして日本中世文学のあり方を理解し、古典文学を学術的に考究する方法を学ぶ。
【授業の到達目標】
1. 連歌の「座の文芸」としての特徴を説明できる。【知識・理解】 2. 文学理論に則って連歌百韻を分析し、客観的に鑑賞することができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
日本中世文学,連歌,湯山両吟,座の文芸
【科目の位置付け】
本科目は、人文社会科学の高度な「専門知」を獲得し、論理的な思考能力を養うためのものである(人文社会科学部のカリキュラム・ポリシー)。
【授業計画】
・授業の方法
連歌の講読をメインとする講義形式の授業である。小課題①~⑦(次週までにウェブクラスで提出)、式目表の提出(第5回~第12回に授業内で記入)を課す。
・日程
1. はじめに(連歌とは) 2. 連歌百韻の基礎知識① 3. 連歌百韻の基礎知識② 4. 『湯山両吟』概説 ※式目表の配布 5. 『湯山両吟』講読(初折表) ※小課題① 6. 『湯山両吟』講読(初折裏) ※小課題② 7. 『湯山両吟』講読(二折表) ※小課題③ 8. 『湯山両吟』講読(二折裏) ※小課題④ 9. 『湯山両吟』講読(三折表) ※小課題⑤ 10. 『湯山両吟』講読(三折裏) ※小課題⑥ 11. 『湯山両吟』講読(名残折表) ※小課題⑦ 12. 『湯山両吟』講読(名残折裏) ※式目表の提出 13. 『湯山両吟』の行様の考察① 14. 『湯山両吟』の行様の考察② 15. 総括 ※式目表の返却
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
解説を聞きながら、配布資料にノートを取る。式目表に式目に関する事項と気づいたことを書き込む。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
週1~2時間を目安とする。 [第1回~第3回]講義資料を読み直し、参考書を読むなど重点的に復習する。 [第5回~第12回]講読範囲を予習する。小課題①~⑦に取り組む。式目表を完成させ、提出にそなえる。
【成績の評価】
・基準
連歌の特徴を理解し説明できるか、式目等の文学理論に則って連歌百韻を適切に分析できるかが、合格の基準となる。
・方法
小課題(10点×7=70点)、式目表の提出(30点)の合計をもって評点とする。
【テキスト・参考書】
[テキスト]使用しない。必要に応じてプリントを配布する。 [参考書]島津忠夫校注『連歌集』 新潮日本古典集成 1979 \3,740
【その他】
・学生へのメッセージ
ちなみに、(この授業では取り上げませんが)山形藩初代藩主・最上義光はたいへんな連歌好きでした。連歌には人を虜にする魅力があったようです。「座の文芸」たる連歌のおもしろさを知ってほしいと思います。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問は、火曜16:20~17:50に研究室(人文社会科学部1号館4階406)で受け付けます。その他の時間に来たい場合は事前に連絡して下さい。
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