日欧比較文学特殊講義b
 Topics on Comparative Literature (b)
 担当教員:加藤 健司(KATO Kenji)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人間と文化について地域を横断する視点から自文化への理解を深めるため、翻訳文学・批評について日本近代文学史におけるその意義を知り、文学・文化研究の一手法としての比較文学的考え方とその実践の一端を学ぶことを目的とする。

【授業の到達目標】
受講生は、
1)文化・文学研究の一手法としての比較文学的アプローチを理解し、自らそれを実践できるようになる。【知識・理解】
2)近代日本文化形成過程における、とくに翻訳を通したヨーロッパ文化の多面的影響を学び、理解してうえで、自らの興味に基づき調査できる【技能】

【授業概要(キーワード)】
ヨーロッパ文学、日本文学、異文化、近代

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業は、比較文学的手法を学ぶことを通じて、人間と文化について地域や分野を横断する視点から幅広い教養を身につけることを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1)毎回できるだけ幅広く比較文学・文化の材料を取りあげて紹介する。
2)必要に応じて受講者に調査をお願いする。
3)まとめとしては、受講者からの15分程度の発表とそれに基づく討議を行う。
・日程
第一回:オリエンテーションと導入
第二回:シーボルトの日本(幕末の比較文化)
第三回:蘭学者たちと書物(日本初の小児科医書翻訳)
第四回:お雇い外国人たちの明治
第五回:福澤諭吉と翻訳(近代翻訳の誕生)
第六回:「小雪姫」から「白雪姫」へ
第七回:明治青年とドイツ
第八回:謎の翻訳者(阪田孫四郎)
第九回:数学者と翻訳(小倉金之助)
第十回:旧制山形高校と翻訳者たち
第十一回:SF翻訳と山形大学
第十二回:受講者による発表と質疑応答
第十三回:受講者による発表と質疑応答
第十四回:受講者による発表と質疑応答
第十五回:受講者による発表とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)毎回のトピックスについてあらかじめ簡単に調べるなど、興味を持って参加する。
2)授業で配付されたプリントは授業後に熟読をしておく。
3)発表に際しては、必ず参考文献を挙げて正しい学問的発表のありかたを身につける。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)シラバスに従って簡単な下調べをする。
2)発表に際しては担当者と相談して、正しい道筋で調査・発表できるように準備する。
3)授業内での発表・討議を参考にして、さらに調査とまとめをする。

【成績の評価】
・基準
1)文化・文学研究の一手法としての比較文学的アプローチを理解し、自らそれを実践できるようになる。【履修者の発表による】
2)近代日本文化形成過程における、とくに翻訳を通したヨーロッパ文化の多面的影響を学び、理解してうえで、自らの興味に基づき調査して、発表できる。さらには討議を通じて生じた疑問点などをさらに調査してまとめられる【履修者の発表と期末のレポートによる】
・方法
発表(40%)、発表に対する受講者から質疑を活かした期末レポート(40%)、さらに発表した受講生に質疑を積極的に実践すること(20%)により、総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
テキスト:毎回資料をWebClassで配布する。
参考書:『日本における外国文学』上下巻 島田謹二

【その他】
・学生へのメッセージ
比較文学・文化にはいろいろな視点が可能です。とはいえ、その分どこを焦点とすればいいのか曖昧になることもあります。講義・発表・討議などを通して、正しい比較文学の学び方を身につけていきましょう。
・オフィス・アワー
水曜日12:30-14:30 加藤研究室(人文社会科学部1号館4階410号室) その他の時間でもあらかじめ連絡いただければ対応します。

11022032-2021-31-12112