日本語学演習a
 Seminar on Japanese Linguistics (a)
 担当教員:中澤 信幸(NAKAZAWA Nobuyuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
《文献を利用した日本語研究とその応用》
 日本語研究の方法の一つに文献研究があります。対象となる文献を読み込み、問題となる言語についてデータを採取し、そのデータを分析したり他の言語と対照したりすることで、その言語の特徴を捉えていきます。またアンケートやインタビューを行うことで、社会言語学研究にも結び付けることができます。この授業では、日本語の文献研究とフィールドワークを実践していきます。

【授業の到達目標】
 文献を対象とした日本語研究の方法について、学ぶことができる。文献から用例を採取した上で、それについてアンケート・インタビューを行うことで、フィールドワークの手法を身に付けることができる。そして卒業論文のテーマと研究方法を見出すことができる。

【授業概要(キーワード)】
 文献研究 対照言語学 社会言語学 データ採取と分析

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 この授業は、人文学の専門知を体系的に修得させるために編成される科目です。(人間文化コースのカリキュラム・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
 まず文献から用例を採取してデータベースを作る、ということを実践していきます。次に日本語と他の言語との対照を、文献を中心に行っていきます。そして文献だけでなく、アンケート・インタビューから得られた、日本語のデータについても分析します。これらのデータから得られた成果を発表し、レポートにまとめます。
・日程
 第1回 ガイダンス、文献の説明
 第2回 語学的な問題点の見出し方
 第3回 用例採取とデータベースの作り方
 第4回 文献から得られたデータの分析方法
 第5回 発表① 文献に見られる日本語の問題について
 第6回 対照言語学とは
 第7回 音声・音韻、文法
 第8回 表現
 第9回 語彙、言語行動
 第10回 発表② 文献による日本語と他の言語との対照
 第11回 社会言語学と文献研究への応用
 第12回 アンケート・インタビューの方法
 第13回 アンケート・インタビューから得られたデータの分析方法
 第14回 発表③ 現代社会における日本語の問題について
 第15回 全体のまとめとレポートの説明

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 この授業ではデータベースを利用した文献研究の手法を学びます。受講者自身が積極的にこの手法を身に付け、将来の卒業論文へつなげるようにしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
[予習のあり方]参考書にあらかじめ目を通しておいてください。
[復習のあり方]授業終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、各自の回答、および質問事項、感想等を記して、WebClassに提出してください。

【成績の評価】
・基準
 主体的な参加、知識の修得、理解、汎用的技能の修得の四つの度合いで評価します。基準は1) 文献研究やフィールドワークなどの日本語研究の方法が身に付いているか、2) 将来の卒業論文につながるテーマと研究方法を見出すことができているか、です。
・方法
 ①ミニレポート(30%)、②発表(30%)、③最終レポート(40%)の3つで評価します。

【テキスト・参考書】
[参考書]
 亀井孝、大藤時彦、山田俊雄『日本語の歴史 別巻 言語史研究入門』(平凡社ライブラリー、2008)\1,760
 石綿敏雄・高田誠『対照言語学』(おうふう、1990)\2,530
 ダニエル・ロング、中井精一、宮治弘明『応用社会言語学を学ぶ人のために』(世界思想社、2001)\1,760

【その他】
・学生へのメッセージ
 文献はただ読むだけではなく、データ採取という手法を採ることで、言葉の新たな側面が見えてきます。この授業で、データベース作成を通した言語研究の手法を身につけてみませんか。
・オフィス・アワー
 火曜日 13時~17時 中澤研究室(人文社会科学部1号館4階409号室)
 アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(WebClassまたは電子メールで予約すること。)

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