漢文学教育演習
 Teaching Methods of Sino-Japanese Literature
 担当教員:三上 英司(MIKAMI Eiji)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):公立高等学校教諭 国立高等専門学校助教授 国立教育政策研究所調査分析委員 検定教科書(小中高)編集委員
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:人文社会科学部  科目区分:選択 
【授業の目的】
中学校ならびに高等学校における国語科漢文分野の教授法について理解し、授業計画を立てた上で実践する能力をできる。

【授業の到達目標】
・中学校ならびに高等学校の学習指導要領を理解する。
・漢文学各分野の教材としての特性を理解する。
・漢文教材の特性を活かした教授法の基礎を身につける。
・漢文教材を用いた言語運用能力の向上に有効な学習活動を設計できるようになる。
・授業実践に必要な基本的な能力(聞く・読む・話す・書く)を身につける。

【授業概要(キーワード)】
教材分析 授業計画 授業実践 漢文学 国語科

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
国語科において漢文教材を用いて対話的で、主体的な学びを実践する能力を身につける実践基礎科目。カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
・教授法の基礎を身につけるための概説を5回行う。
・提示された題材(指導要領・漢詩文)を用いた演習を10回行う。
・各回の授業での発表者は、発表3日前までにレジュメを教員に提出。
・毎回、発表に対する評価をワークシート形式で全員に求める。
・日程
第1回:学習指導要領の意義概説
第2回:国語科における古典分野の必要性概説
第3回:導入教材の指導法概説
第4回:「故事成語」教材の指導法
第5回:思想教材の指導法
第6回:『論語』教材の指導法
第7回:『荘子』教材の指導法
第8回:『韓非子』教材の指導法
第9回:韻文教材の指導法概説
第10回:「絶句」「律詩」教材の指導法
第11回:歴史教材の指導法概説
第12回:『史記』教材の指導法
第13回:「論」教材の指導法
第14回:「説」教材の指導法
第15回:「伝奇」「志怪」教材の指導法

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
「予習のあり方」
・課題発表を通じて授業実践の基礎を身につける。
・発表を聞き、教材としてのテキスト活用方法について理解を深める。
・発表に対する評価を通じて授業実践を客観的に分析する能力を身につける。
「復習のあり方」
・習得項目を踏まえて教員採用試験の学習を行う。
・習得項目を踏まえて国語科各分野のテキスト読解を重ねる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
以下の3点に留意して図書館やインターネット等を利用し、情報を収集した上で精査し、発表の準備に取り組むこと。
・学習素材として、漢文テキストの異同を正確に把握する。
・学習指導要領の正確な理解と学習活動での運用についての関係性を考察する。
・発表資料の作成を通じ、原典理解の度合いを深める。

【成績の評価】
・基準
・中学校ならびに高等学校の学習指導要領を理解し、発表内容に適切に反映している。(知識・理解)
・漢文学各分野の教材としての特性を理解して質疑応答を行える。(主体的参加・理解・汎用的技能)
・漢文教材の特性を活かした言語表現活動を立案している。(汎用的技能)
・言語運用能力の向上に有効な学習活動を設計している。(理解・汎用的技能)
・授業実践に必要な基本的な能力(聞く・読む・話す・書く)をもとに発表したり、評価したりしている。(主体的な参加・汎用的技能)

上記5つの評価基準が全て満たされている場合はS評価を、4点が満たされている場合はA評価を、3点が満たされている場合はB評価を、2点が満たされている場合はC評価を付す。これ以下は不可とする。
・方法
・課題発表50点(資料20点、発表10点、質疑応答20点)
・発表評価シート50点(10回×5点 観点の正確さ計20点、評点の適正さ計30点)

上記2項目の合算により100点法で評点を付す。

【テキスト・参考書】
テキスト:事前にテキストとして個別に指定するものはない。必要な資料は授業ごとに提示し、授業の進度ならびに学習者の理解に応じて解説する。
参考書:塚田勝郎『新人教師のための漢文指導入門講座』 大修館書店 2200円
三上英司『詳説漢文句法』 筑摩書房 580円

【その他】
・学生へのメッセージ
国語科教員を目指す学生の履修を求めます。漢文分野に限定せず、国語科指導全体に目を向け、その中における漢文指導という視点で授業を行います。
・オフィス・アワー
授業外の質問に答えるオフィスアワーを三上研究室(基盤教育1号館・地域教育文化学部2号館の5階東奥541号室)で月曜日11:00~13:00に開設しますが、授業・会議・出張等で不在でなければ、随時、研究室で対応します。

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