課題演習(日本近世文学)
 Project Seminar (Japanese Early Modern Literature)
 担当教員:山本 陽史(YAMAMOTO Harufumi)
 担当教員の所属:山形大学
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
山形市山寺にある山寺芭蕉記念館を主なフィールドに、記念館でボランティアガイドを行っている宮城県や山形県の市民の皆さんで構成する「奥の細道マイスターの会」と連携し、芭蕉が訪れた山寺を世界に発信するための方策を探る授業です。

【授業の到達目標】
1)芭蕉と『おくのほそ道』、俳句、山寺についての基本的知識を備え、ガイドができる【知識・理解】
2)芭蕉記念館の展示物や俳句について分かりやすく説明することができる。【技能】
3)適切なメディアを駆使し、得た知識を情報を外部に発信することができる。【技能】
4)社会人や他の学生とコミュニケーションを密に取りつつ、共通の目標に向かって共同作業ができる。【態度・慣習】
5)達成目標を設定し、実現に向けて適切に遂行することができる。【態度・監修】

【授業概要(キーワード)】
松尾芭蕉,『奥の細道』,俳句,みちのく,国際化

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
人間文化コースのPBL科目の一つです。地域の文化施設を拠点として、地域の人々と連携協力し、全国そして世界に向けて文化を発信する取り組みを通して社会性を身につけることが目的です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
山形市山寺にある山寺芭蕉記念館を主なフィールドに、記念館でボランティアガイドを行っている「奥の細道マイスターの会」と連携する授業です。松尾芭蕉と『奥の細道』についての概要を学び、山形の文化資産を全国さらに世界に発信するためのアイデアを出し合い、達成目標を設定し、実現していきます。昨年度は展示物のキャプション(解説版)の英訳に適した日本語の説明文を作成し、その結果として「ナショナルジオグラフィック」のフランス語版に山寺が大きく取り上げられました。今年度何を行うかは履修者とマイスターの会の話し合いで決定しますが、例としては以下のようなことを考えています。
・国内外からの来館者にニーズに合わせたガイドができる。
・特に海外からの観光客を意識し、記念館と山寺立石寺、さらに山形・東北の魅力を動画で発信する、
・(可能なら複数言語で)ガイドマップを作る など
・日程
当該授業のウェブクラス上でオンライン説明会を開催します(オンデマンド。実施日程や概要をPDFで配信します。メールで個別に質疑応答を行います)。履修者が決定した段階でマイスターの会と再度日程調整を行い、前期の週末の数日間で合計30時間の演習を開催します(会場は山寺芭蕉記念館を想定。コロナウイルスの蔓延状況によってはウェブクラスやzoomを駆使したオンライン開催も併用する可能性もあります)。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
山寺が日本文化を象徴する俳句や仏教信仰の一拠点であること、あわせて山形の魅力を世界に発信しようという意欲のある学生を求めます。
準備学習に必要な時間の目安は2時間/週です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・予習 事前にテキストを読み込むとともに、可能であれば受講生で誘い合って山寺に行き、立石寺を参拝したり芭蕉記念館を見学しておいてください。
・復習 市民との話し合いで出た話題等をネットや文献で調べてみてください。

【成績の評価】
・基準
基本的な技能知識が身についたか、主体的に参加できたか、社会人とコミュニケーションが取れたか、自分で目標を設定し、計画的かつ粘り強く達成に向けて共同作業ができたかを本人の自己評価も参考にしつつ評価します。
・方法
1)成果物 40% ※成果が必ずしも出なくても、報告書により着想の良さや将来性を評価します。
2)平常点 20%
3)目標達成度の自己評価報告書 40%

【テキスト・参考書】
テキスト:潁原退蔵・尾形仂『新版おくのほそ道 現代語訳/曾良随行日記付き』 (角川ソフィア文庫) 角川書店 2003 ISBN-13: 978-4044010041 ¥836
参考書:
・『芭蕉自筆 奥の細道』 (岩波文庫) 岩波書店 2017 ISBN-13: 978-4003510247 \1,067
・松尾芭蕉・ドナルド・キーン『英文収録 おくのほそ道』 (講談社学術文庫) 講談社 2007 ISBN-13: 978-4061598140 ¥836

【その他】
・学生へのメッセージ
課題演習は社会との接点を強め、自身の職業選択や社会人生活のための基礎を築くための授業です。この授業で市民との接点を持つだけではなく、日本文化を世界に発信していく体験を通してその目標の一部を達成できるようサポートします。
・オフィス・アワー
事前に電子メールで日程調整ので、研究室またはオンラインで授業時間外の質問・相談を行います。出張が多いため固定したオフィスアワーを設けるのが難しいのでご理解ください。

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