ドイツ文化論
 German Culture
 担当教員:摂津 隆信(SETTSU Takanobu)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「本当は怖いドイツ喜劇」
「喜劇」と聞くとただ面白おかしく人を笑わせるだけの芝居と思っていませんか?しかし喜劇にはとっても怖い側面もあり、アリストテレスから現代にいたるまで多くの研究者たちが多面的な喜劇の本質を把握しようと奮闘してきました。
本授業の目的は、ドイツの喜劇作品を読むことで、その作品が書かれた時代背景、宗教意識、政治問題、産業と市民生活、戦争と人間、格差社会などを幅広く講義することが目的です。また本授業ではドイツ文化に登場した「喜劇」に触れるばかりでなく、芸術ジャンルとしての「演劇」や「文学」にも触れていきます。

【授業の到達目標】
・いままでイメージしていた享楽的「消費物」としての喜劇のイメージを変えることができる
・提示されている出来事をもとに各作品の問題の所在を突き止めることができる
・ドイツ語圏の劇作家と受容者たちがどのような批判精神とメンタリティを抱いていたかを説明できる

【授業概要(キーワード)】
悲劇と喜劇、演劇・メディア、ドラマとシアター、ドイツ文化

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この講義は、ドイツ文化が孕む問題を演劇作品理論の観点から論理的に分析し、その問題に対する適切な理解を促すために編成される科目である(人文社会科学部グローバル・スタディーズコースのDP5)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
基本的にはパワーポイントを使用して講義を行い、必要に応じてプリントや映像等を使用します。
・日程
第一週 オリエンテーション
第二週 喜劇と悲劇 概論
第三週 ヨーロッパ演劇の基礎『オイディプス王』
第四週 不可視の真実『フィガロの結婚』
第五週 喜劇としての『ファウスト第一部』
第六週 喜劇としての『ファウスト第二部』
第七週 番外編『はじめてのおもてなし』
第八週 前半部のまとめ、グループ発表
第九週 「ただし金があれば」『マハゴニー市の興亡』
第十週 事を図るは神 事をなすは人『セチュアンの善人』
第十一週 番外編『帰ってきたヒトラー』
第十二週 入院させられた正義『物理学者たち』
第十三週 試されるヒューマニズム『老貴婦人の訪問』
第十四週 番外編『ホーリー・モーターズ』
第十五週 まとめと理解度の確認、グループ発表

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
受講生各自にノートを取ってもらいたいので、スライド一覧を授業内で配布するようなことはしません。そして授業最後には必ずレビューシートを書いてもらいます。このレビューシートがいい加減なものであれば、平常点に影響してくるとお考えください。講義形式のため受動的な受講形態に陥りがちですが、突然指名して発言を促すこともありますのでそのつもりで授業に臨んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
ウェブクラス上に必要なテクストをアップします。予習として読んでくること(しかし第三週に扱う『オイディプス王』は各自で購入して読んでもらいたい)。また毎授業後にレビューシートを課すので、そのための準備を怠らないように。授業で示したスライドや資料は後日ウェブクラスにアップするので、復習に活用してください。また、授業で扱った作品を本屋で買うなり図書館で借りるなりして、ぜひ自分で読んでみましょう。

【成績の評価】
・基準
期末試験としてレポートを課します。このレポートと毎授業時に提出してもらうレビューシート、グループ発表の内容から、ドイツ文化が孕む諸問題を適切に理解し、他者に伝えられていることを合格の基準とします。
・方法
期末レポート50%、平常点50%。平常点には、授業時に行うグループワークとレビューシートも含まれる。積極的な受講が求められる。

【テキスト・参考書】
ソフォクレス『オイディプス王』(岩波文庫)
その他、授業計画に基づいてウェブクラス上に必要なテクストをアップします。予習時に読んでくること。授業時にその都度指示します。

【その他】
・学生へのメッセージ
ドイツ語力はさほど必要ではありませんので、演劇、文学、ヨーロッパ文化に興味がある人ならば誰でも歓迎します。
・オフィス・アワー
人文社会科学部2号館4階摂津研究室、月曜日9:00ー10:20。左記以外の日時でも、在室時には基本的に対応する。しかし緊急の会議等が入ることもあるため、Eメールでアポイントをとることを勧める。

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