ロシア文化論
 Russian Culture
 担当教員:相沢 直樹(AIZAWA Naoki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
ロシア文学に「余計者」(lishnii chelovek, 英語では superfluous man)と呼ばれる人たちが出て来る。すぐれた知性と高い教養を持ちながら,倦怠と懐疑主義によってその才能を社会のために役立てる行動力を持たない男性たちだ。この授業では「余計者」を軸にした議論を通して,ロシアの文学・文化についての理解を深め,あわせてひろく人間の存在と営みについて洞察を得ることを目的としている。

【授業の到達目標】
1)「余計者」とは何かがわかるようになる
2)ロシアの歴史と文化について一定の知識をもつ
3)必ずしも生産的とは言えない生き方について理解が深まる

【授業概要(キーワード)】
余計者,知識人,人間関係,非生産的,人生・生活,ロマン主義,リアリズム 

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,ロシアの余計者をめぐる一連の議論を通してロシア文学・文化についての知識を得るとともに,人間存在のあり方について理解を深めるものである。学部・コースのポリシーにそいつつ,「グローバル化の進展に対応した迅速さと正確さをもって、必要な情報を収集・分析」する力」と「豊かな人間性と社会性」を涵養する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
資料や映像を駆使しながら普通にどんどん講義します。疑問に思ったことはなんでも質問してください。
・日程
1 ガイダンス
2〜14 以下のようなトピックスを取り上げて論じます。
15 まとめ

「余計者」とは何か,だれが「余計者」なのか?
「余計者」の誕生
「余計者」の展開とバリエーション
「余計者」と女性
「余計者」と「ポジティヴ・ヒーロー」
「インテリゲンツィヤ」(知識人層)について
「余計者」とリアリズム
「余計者」とロマン主義
『機械仕掛けのピアノのための未完成の戯曲』(についてのきわめて人間的な考察)
「余計者」と日本
「余計者」と現代

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
まずは講義内容を理解するよう努めてください。分からないことがあれば質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
特に指示のないかぎり,予習は必要ありません。図書館で関連する本を探したり,紹介された映像作品を見てみましょう。

【成績の評価】
・基準
以下を満たしていることを合格の基準とする。
1 ロシア文化について興味を持ち,その諸相について理解を深めている。
2 授業内容を正確に理解し,自分の言葉で説明できる。
3 授業に積極的に参加し,それについてきちんと自己評価できる。
・方法
授業参加:40点+レポート:60点
授業参加は授業後に提出してもらうコメント・カードへの書き込み(質問やコメント等)を評価します。レポートはロシア文化についての知識・理解を測りつつ,着眼点と独創性,表現力を評価します。

【テキスト・参考書】
原則としてテキストは指定せず,適宜プリント等を用意します。詳しくはガイダンスにおける説明や,授業途中での指示にしたがってください。いずれにしても,授業開始前に取りそろえていただくようなものはありません。

【その他】
・学生へのメッセージ
「ロシア文化論」の受講に際しては,ロシア語の知識は必要ありません。
「余計者」は能率至上主義の時代にはずいぶん批判をうけたものだが,右肩上がりの成長神話の崩れた現代においてもう一度考え直してもよい存在ではなかろうか?
・オフィス・アワー
授業時間外にみなさんの質問に答える「オフィス・アワー」は,相沢研究室(人文3号館8階)において,原則として火曜日・水曜日・木曜日の昼休み(12:15~12:45)としますが,これに限らず在室している時は随時対応します。また,会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。

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