【授業の目的】
複雑で多様化している国際関係を理解するためには,国際法の基礎知識が不可欠である。本講義では,国際法が国際関係をどのように規律し,国際社会の秩序維持に寄与しているか(いないのか)について検討する。今日,国際法の対象範囲は,伝統的な戦争と平和の問題から世界経済,人権,地球環境などといったように,大変広範なものとなっている。本講義では,いわば国際法総論として,それらの問題を考えるための基礎的な概念や知識を習得することを目的とする。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は, 1)国際法の基本的な概念や用語について説明できる。【知識・理解】 2)国際的な実行や学説について調べることができる。【技能】 3)実際に起こっている様々な国際的な事例について,国際法の観点から討議できる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
主権国家体制、国際法と国内法、条約と慣習国際法、外交・領事関係、空間秩序
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,法律学分野の高度な「専門知」を獲得し,多様な場面で応用可能な法的知識とその運用能力を養うための科目である(総合法律コースのカリキュラム・ポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
10.人や国の不平等をなくそう 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
主としてWebclassを通じてレジュメ・資料を配布する。教科書の該当部分をあらかじめ読んできていることを前提として講義を中心に進める。
・日程
第1回 イントロダクション:国際社会と法 第2回 国際法成立・発展の歴史 第3回~第5回 国際法総論(特徴,性質,成立形式,国際法と国内法,国家責任) 第6回~第7回 国家(国家の成立,承認,基本的権利義務,国家管轄権,国家免除) 第8回~第9回 条約法(締結,留保,解釈,効力) 第10回 外交・領事関係法 第11回~第12回 国家領域(陸・空・宇宙) 第13回~第14回 海洋法 第15回 まとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
レジュメと板書を参照しながら講義を聞き,ノートに筆記して内容の理解に努める。疑問に思うことがあれば積極的に質問する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書の該当部分を読み,疑問点を明確にしておくこと(必須!)。 自分でとった講義ノートを見直し,ポイントをまとめておく。参考文献にあたって問題に対する理解を深めておく。 普段から国際問題に関するニュースをチェックする。
【成績の評価】
・基準
課題・期末試験を課して,知識の習得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いについて総合的に評価する。具体的には,次のような点が合格の基準となる。①国際法の基本的内容を理解し,自分の言葉で説明できるか。②国際社会において実際に起こっている事例について,国際法の基礎知識に基づいて論理的,説得的に評価できるか。③国際法に対する問題関心が高いことを示すことができているか。
・方法
課題:40%,期末試験:60% 課題は,授業の進行度合いを見ながら適宜提示する。
【テキスト・参考書】
テキスト:①加藤信行ほか編著『ビジュアルテキスト国際法 第2版』(有斐閣,2020年) ②『国際条約集2021年版』(有斐閣)(条約集は他のものでも構わないが,必ず用意すること)。 その他の参考書については講義において適宜紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
私語は厳禁(講義内容に関する発言は大歓迎!) 現代のグローバル化した社会において国際法の基礎知識は確実に必要になってきています。地域公共政策コースやGSコースの学生も積極的に受講して欲しいと思います。 国際法1と国際法2を合わせて履修することで,初めて国際法の全体像が見えるような組み方をしています。原則として両方履修してください。
・オフィス・アワー
木曜日15:00~17:00 人文社会科学部2号館3階 丸山研究室 その他の時間はメールでアポイントメントを取ってください。
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