民法展開(担保物権)
 Civil law III
 担当教員:髙橋 良彰(TAKAHASI Yosiaki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
民法典のうち第二編物権第七章以下を扱う。金融法と直結するその全体像を確認しつつ、条文や判例について知識を習得し、理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
・担保物権の分野における個々の条文の意味を理解できる(知識・理解)
・担保制度に関する各種制度の存在意義を理解できる(知識・理解)。
・基本判例についての知識を習得し、理解ができる(知識・理解)。
・金融実務における法律的な基本的作業・分析ができるようになる(技能)。
・担保物権の分野における諸学説について批判的に論じることができる(態度・習慣)

【授業概要(キーワード)】
債権、債権担保、金融、法定担保、約定担保

【科目の位置付け】
(1)本講義の導入的講義として「私法入門」「金融法入門」があります。
(2)民法の他の分野の講義も受講することにより初めて、民法の全体像が理解できます。
(3)この授業は、専門展開科目として専門基礎科目の履修で得た基本的知識に基づき、法学の体型性を踏まえた専門的な知識を身につけるために編成された科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で行いますが、適時質問などを交えて展開していきます。
・日程
1、債権の効力と債権担保の考え方
2、物的担保と人的担保
3、留置権
4、先取特権
5、約定担保物権と信用制度
6、動産質権
7、不動産質権
8、抵当権(設定契約について)
9、抵当権(効力その一)
10、抵当権(効力その二)
11、抵当権(効力その三)
12、抵当権(消滅など)
13、権利移転型担保物権について
14、譲渡担保
15、まとめと課題検討

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
少なくとも教科書の事例は読んで、どのような問題なのかを把握しておいてください。積極的に質問してみてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
金融法入門を受講していると理解が早まりますので、その時の資料を確認しておいてください。

【成績の評価】
・基準
制度を理解し条文や判例などをふまえてその説明ができること(30点)、論理的な叙述が出来ていること(40点)、自分の考えだけでなく他人の考えとの対比ができていること(30点)、で評価します。 各問題は、制度趣旨や重要な論点などから出題し、講義を聴いている限り難問・奇問は出しません。その中で、「主体的な参加の度合い」・『知識の修得の度合い』・『理解の度合い』・「汎用的技能の修得の度合い」を見ます。
・方法
期末試験(90点)の他、随時小レポートを提出してもらい、その回数に応じて10点分を振り分けます。

【テキスト・参考書】
古くは、内田貴『民法III 債権総論・担保物権』を教科書に指定して来ました。
今年度は、担保物権のみの教科書ということもあり、大村敦志『新基本民法3担保編』をテキストにしたいと思います。
前者については改訂版も出ています。司法試験などを目指す人は一読を勧めます。

【その他】
・学生へのメッセージ
担保物権は、物権法の問題と債権法の問題とが交差している分野になります。債権の効力について、特に責任概念を押さえた上で検討していきます。解らないことがあれば遠慮なく聞いてもらい、少しずつ、理解してもらえればと思います。
・オフィス・アワー
木曜日14時40から16時10分まで(C2棟3階高橋(良)研究室)
・連絡先kouryou@human.kj.yamagata-u.ac.jpに事前にメールでアポイントメントを取ることで、確実に面談することができます。

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