民事訴訟法2
 Civil Procedure 2
 担当教員:本間 佳子(HOMMA Yoshiko)
 担当教員の所属:人文社会科学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):1991年(平成3年)4月弁護士登録(弁護士歴30年)。民事訴訟事件の代理人として豊かな経験があり,現在も山形地方裁判所他で係属中の民事訴訟事件を複数担当しています。実務経験に基づき,出来るだけ具体的な説明をし,実際の運用や現場での経験した問題も紹介しつつ,実務と理論を架橋することを意識して授業をします。
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
民事紛争の法的解決方法である民事訴訟の構造とルールをより深く理解するために,民事訴訟法上の概念,争点,判例を学ぶことを目的とします。

【授業の到達目標】
1)民事訴訟法の基本原則が民事訴訟の各段階でどのように作用するかを説明することができる。
2)民事訴訟の第1審手続及び上訴手続における法的問題を的確に指摘し,判例を踏まえて論ずることができる。

【授業概要(キーワード)】
民事,訴訟,手続,法,紛争解決

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,法律学の体系性を踏まえた専門的知識を身につけ,社会の複雑多様な問題を法的観点から思考し,問題解決能力を養うための科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
民事訴訟法1において民事訴訟法を一通り学習したことを前提として,もう一度テキストを精読し,重要論点について判例を含めより深く掘り下げて講義します。毎回予習課題を示し,判例の説明などについて学生の主体的参加を求めます。
・日程
 第1回 授業ガイダンス,民事訴訟法1の振り返りと復習
 第2回 民事訴訟審理の基本構造 1)申立て
 第3回 民事訴訟審理の基本構造 2)主張
 第4回 民事訴訟審理の基本構造 3)立証 
 第5回 民事訴訟手続の基本プロセス 1)訴えの提起
 第6回 民事訴訟手続の基本プロセス 2)訴訟係属の効果‐重複訴訟の禁止
 第7回 民事訴訟手続の基本プロセス 3)口頭弁論
 第8回 民事訴訟手続の基本プロセス 4)争点整理
 第9回 民事訴訟手続の基本プロセス 5)証拠調べと事実認定
 第10回 民事訴訟手続の基本プロセス 6)終局判決
 第11回 民事訴訟手続の基本プロセス 7)終局判決
 第12回 民事訴訟手続の基本プロセス 8)判決によらない訴訟の完結
 第13回 展開的な訴訟手続
 第14回 上訴
 第15回 試験と解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
本講義は,民事訴訟法1の履修によって民事訴訟法の基礎を一応理解していることを前提に,これを発展深化させる内容になります。民事訴訟法1を履修したうえで履修してください。また,授業の内容を理解するために民法の理解も必要になりますので,本講義履修前に民法を履修しておかれることをお勧めします。テキストを購入し,授業の該当箇所を読んで授業に臨んでください。テキストは必ず授業に持参し,参照してください。六法を持参し,授業中に適宜条文を参照してください。
重要用語の定義を意識して,テキストの定義部分に線を引き印をつけるなどして,正確に説明・記述できるように習得してください。
重要論点について,予習課題を出します。判例を中心に十分に予習し,積極的に議論に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
平均1.5時間/週程度の授業外学習(予習・復習)をされることを期待します。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示したとおり,民事訴訟法の基本原則が民事訴訟の各段階でどのように作用するか適切に説明でき,民事訴訟法上の問題点を適切に指摘し判例を踏まえて論ずることができることを合格の基準とします。授業への積極的な参加の度合いを評価に加味します。14回までの授業のうち10回以上出席することを原則として単位認定の必要条件とします。
・方法
試験90%,平常点10%で評価します。
14回までの授業のうち4回以上欠席した場合は原則として単位認定はできません。

【テキスト・参考書】
テキスト
 藤田広美著『講義 民事訴訟[第3版]』(東京大学出版会,2013年) 
参考書
 伊藤眞著『民事訴訟法[第6版]』(有斐閣,2018年)
 三木浩一・笠井正俊・垣内秀介・菱田雄郷著『LEGAL QUEST 民事訴訟法[第3版]』(有斐閣,2018年)
 高橋宏志・高田裕成・畑瑞穂編『民事訴訟法判例百選[第5版]』(有斐閣,2015年)

【その他】
・学生へのメッセージ
民事訴訟法は,全体像や基本原則を理解したうえで,さらに基本原則が訴訟の各段階でどのように作用するのか深く学ぶことが重要です。非常に論理的な学問で,概念の定義や制度の趣旨を正確に習得したうえで,論理を積み重ねて考察することが求められます。それでいて現実の社会を直接に動かす役割を果たしており,学べば学ぶほど面白くなります。
・オフィス・アワー
授業に関する学生からの質問は,各回の授業の終了後又は授業開始前に受け付けます。

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