公共政策学1
 Policy Studies 1
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 公共政策学は,20世紀中盤から認知され始めた歴史の浅い分野です。そもそも「学問」と呼べるのかという議論もあり,公共政策「論」として開講する大学もあります。ただ,その考え方には役立つ部分もあり,理解すると,現実の政策を批判的・建設的に検討できるようになります。
 前期の公共政策学1は,公共政策とは何かという初歩的論点に始まり,その妥当性を検討するためのアプローチを順次見ていくという形で,公共政策学の基礎部分について学びます。

【授業の到達目標】
 この授業の到達目標は,受講者が以下の2点の能力を獲得することです。
(a)公共政策学における概念や理論,応用例などを正しく説明できる。
(b)現実の政策について、何が問題なのか、それをどのように修正しなければならないかといった点に気付けるようになる。

【授業概要(キーワード)】
民主主義,資源の有限性,合理性

【科目の位置付け】
 この科目は,地域における主体的な学習を行うために必要な,基礎的な素養を身に付けることを目的としています(地域公共政策コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
 解説はレジュメ(WebClassにて事前配布)と板書によって進めます。もちろん質問は受け付けます。毎回,WebClass経由でコメントを送信してもらいます(成績評価の対象となります)。
 なお,受講人数によっては,オンライン授業(オンデマンド方式)とする可能性があります。
・日程
(1)「公共」の「政策」とは
(2)公共政策「学」の成り立ち
(3)政策とは何か
(4)目標とは何か
(5)公共政策の四つの性質
(6)政策形成過程総論
(7)アジェンダとは何か
(8)アジェンダの選別
(9)仮説
(10)第3種過誤
(11)数値化と計算可能性
(12)三つのE
(13)能率性
(14)知識の使い方
(15)まとめと試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 一見すると難解に思える専門用語や概念なども,意味自体は難しくない場合がほとんどです。むしろ,それらが現実でどう活かされているかが重要なので,解説の内容を理解し,暗記ではなくイメージとして定着させ,的確に用いられるようにして下さい。
 なお,本科目の履修が,公共政策学2を履修する前提となります。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 体系がないに等しく,予習の不可能な分野なので,復習を中心に据えて下さい。授業後に1時間程度見返すだけで十分でしょう。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得および理解の度合いを期末試験で,汎用的技能の修得の度合いおよび主体的な参加の度合いを毎回送信してもらうコメントで評価します。基準は,①公共政策の難しさの要因を正しく理解しているか,②幅広い事例への応用がきくか,③理性的かつ論理的に主張を展開できるかの3点です。
・方法
 期末試験(60点満点。応用問題が中心となります)と毎回のコメント(40点満点。時事問題への深い関心が必要です)

【テキスト・参考書】
 非常に難解なので,授業後に参照することをお勧めします。
○秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎』(第3版)有斐閣,2020年,本体2,600円
 むしろ,その他の参考文献の方が重要なので,各回に紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 不明な点は必ず質問して下さい。
 きちんと出席(カードリーダーにて確認)した上でコメントを送信することが必要です。欠席したにもかかわらず,コメントだけ送信してもカウントされませんので,十分に注意して下さい。
・オフィス・アワー
 水曜日 12時30分~14時00分 川村研究室(人文社会科学部2号館3階)
 それ以外では,メール等で事前予約の上,適宜調整します。

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