公共政策学2
 Policy Studies 2
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 政策立案のアプローチは,概ね2系統に分けられます。一つは,数字を駆使してなるべく完璧な政策を追求するアプローチであり,もう一つは,哲学的視点から「より良き」政策を追求するアプローチです。
 後期は,政策立案の現場が抱える現代社会特有の困難をふまえた上で,両アプローチはそれに対してどのように貢献し得るのか,そして「現場」に立つ者にとって必要となっている教養は何かといった点について学びます。

【授業の到達目標】
 この授業の到達目標は,受講者が以下の2点の能力を獲得することです。
(a)公共政策学における概念や理論,応用例などを正しく説明できる
(b) 容易に答えの出ない現代特有の政策課題について,自分なりの答え(解決の「処方箋」)を提示できるようになる

【授業概要(キーワード)】
合理性,価値観・価値判断,理念,議論

【科目の位置付け】
 この科目は,地域における主体的な学習を行うために必要な,基礎的な素養を身に付けることを目的としています(地域公共政策コースのカリキュラム・ポリシー)。
 なお,本科目を履修する前に,公共政策学1を履修していることが必要です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
 解説はレジュメ(WebClassにて事前配布)と板書によって進めます。もちろん質問は受け付けます。毎回,WebClass経由でコメントを送信してもらいます(成績評価の対象となります)。
 なお,受講人数によっては,オンライン授業(オンデマンド方式)となる可能性があります。
・日程
(1)概要説明
(2)能率への忠誠
(3)仮説の検証と政策立案
(4)数字の限界?
(5)公共政策の本質的問題~自由への介入
(6)民主主義と垂直的公平
(7)放任と介入の間の政策手段
(8)市場の失敗と価値
(9)目標は制度化すべきか
(10)理念の世界
(11)補償の意味
(12)議論の意味
(13)健全なアイディア
(14)公共政策をめぐる現代的論点
(15)まとめと試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 一見すると難解に思える専門用語や概念なども,意味自体は難しくない場合がほとんどです。むしろ,それらが現実でどう活かされているかが重要なので,解説の内容を理解し,暗記ではなくイメージとして定着させ,的確に用いられるようにして下さい。
 なお,本科目の履修のためには,公共政策学1を履修している必要があります。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 体系がないに等しく,予習の不可能な分野なので,復習を中心に据えて下さい。授業後に,1時間程度見返すだけで十分でしょう。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得および理解の度合いを期末試験で,汎用的技能の修得の度合いおよび主体的な参加の度合いをコメント票で評価します。基準は,①公共政策の難しさの要因を正しく理解しているか,②幅広い事例への応用がきくか,③理性的かつ論理的に主張を展開できるかの3点です。
・方法
 期末試験(60点満点。応用問題が中心です)と毎回のコメント(40点満点。時事問題への深い関心が必要です)

【テキスト・参考書】
 非常に難解なので,授業後に参照することをお勧めします。
○秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎』(第3版)有斐閣,2020年,本体2,600円
 むしろ参考書の方が重要なので,各回に紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 不明な点は必ず質問して下さい。
 きちんと出席(カードリーダーにて確認)した上でコメントを送信することが必要です。欠席したにもかかわらず,コメントだけ送信してもカウントされませんので,十分に注意して下さい。
・オフィス・アワー
 水曜日 12時30分~14時00分 川村研究室(人文社会科学部2号館3階)
 それ以外では,メール等で事前予約の上,適宜調整します。

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