国際公共政策論
 International Public Policies
 担当教員:中村 文子(NAKAMURA Ayako)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現在のグローバル化の時代において、私たちは様々な地球規模の問題・課題に直面している。これらの問題は、一つの国家だけで対応することが困難であり、国家間協力や国際機構、地域機構、非政府組織(NGO)との協力関係を構築することが必要不可欠である。
この授業では、このようなグローバルな問題について、国際関係論の基礎的な概念や理論に関する知識を深めながら、とくに国際社会のアクターの一つである国際機構に着目し、その取り組みについて学ぶ。国際機構の誕生した歴史的経緯を概観し、最も包括的且つ普遍的な国際組織である国際連合を例としてあげ、その組織構造・意思決定などについても学ぶ。さらに、国際社会が直面するグローバルな問題として、安全保障、人道・軍縮分野、人権分野などを取り上げ、この諸問題に対する国際連合の具体的な活動を検証することで、現代世界における国際組織の役割を考える。

【授業の到達目標】
国際関係論の基礎的な概念や理論に関する知識を深め、現代の国際社会における諸問題を分析し、国際社会のアクターによる問題への取り組みや、より良い解決策を考える力を身に付ける。

【授業概要(キーワード)】
グローバル・イシュー、グローバル・ガバナンス、国際機構、地域機構、非政府組織(NGO)

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業はカリキュラム・マップにおける「横断基礎科目」であり、社会科学の基礎的な知識を身に付け、現代社会・国際社会の課題を理解する能力を養う。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
06.安全な水とトイレを世界中に
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
13.気候変動に具体的な対策を
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
国際社会の時事問題に関するメディアの記事などを取り上げるだけでなく、スライドやDVDの視聴を積極的に取り入れる。また、授業中には受講生にも発言してもらい、受講生同士の理解を深める場を設ける。
・日程
第1回 国際社会と国際機構(国際機構の定義)
第2回 国際機構の形成と発展(国際連盟・国際連合)
第3回 国際連合の組織構造(原則・総会・理事会・事務局・司法機関)
第4回 国家と国際連合(加盟・代表権・加盟国の権利義務・加盟国の主権)
第5回 国際連合の意思決定
第6回 国際の平和と安全の維持
第7回 紛争の平和的解決(国連憲章第6章・第7章)
第8回 冷戦時代における紛争解決(朝鮮戦争、平和維持活動の誕生)
第9回 冷戦時代における紛争解決(パレスティナ問題等)
第10回 冷戦終焉後の安全保障理事会の活動(人道危機への対応)
第11回 人道的介入(ソマリア、ボスニア)
第12回 人道的介入(ルワンダ、コソヴォ)
第13回 非政府組織(NGO)と国際機構
第14回 軍備管理・軍縮・不拡散と国際機構
第15回 人権・人道と国際機構(人権諸条約、人道支援)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義はスライドや板書で行うため、必ずノートをとること。また、質問や議論の場では積極的に発言すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
参考図書にも目を通し、講義の内容を復習して自分で深めること。また、日頃から新聞やインターネットなど様々なメディアに幅広く触れ、講義で学んだ事項を踏まえながら、時事問題について考える習慣をつけること。

【成績の評価】
・基準
①国際関係論の基礎的な概念や理論が理解できているか。
②現代の国際社会における諸問題の本質を分析し、理解できているか。
③諸問題に対する国際機構の対応について、自分の意見を述べ、解決策を提案できるか。
・方法
授業参加:20%、中間レポート:30%、期末レポート:50%

【テキスト・参考書】
この授業では、担当教員が作成するスライド、プリントなどを授業で資料として配付し、適宜、テキストや参考書を紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
新聞やテレビを通じて、国際社会の様々な出来事を知るだけでなく、それが自分の日常生活とどのような関係があるのかを考えてみよう。そして、自分自身が将来の日本や国際社会の担い手であることを自覚し、授業で習得したことを踏まえて行動してほしい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を中村研究室(人文社会科学部2号館3階)において、月曜日の14:00-16:00の間に設けます。出張等で不在にすることがあるので、確実に面談したい場合は事前にメールで希望日時を相談して下さい。

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