公共政策学演習
 Undergraduate Seminar in Policy Studies
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期,後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 社会や組織が進むべき方向を一つに定める公共政策の決定過程について理解を深め,民主的意思決定の困難性を認識しながら,なおメンバー間の融和も図る方策について,多角的にアプローチしていきます。最終的には,様々な時事問題を冷静・公平に捉える視点の獲得を目指します。

【授業の到達目標】
 この演習の到達目標は,ゼミ生が以下の3点の能力・姿勢を身に付けることです。
(a)人間社会のあらゆる事象・論争を冷静な視点で捉える能力
(b)情緒・感情ではなく,確かな根拠に基づく理性的な主張を展開する能力
(c)限られた時間で確実に結果を出す計画性

【授業概要(キーワード)】
対話能力,政策立案能力,事務処理能力

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 この科目は,地域公共政策分野の高度な「専門知」を獲得し,地域社会・公共政策に関わる論理的思考力とその運用能力を養うことを目的としています(地域公共政策コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
 前期は,卒業論文の作成に有益な文献の講読に当て,基礎知識の修得を目指します。3年生ごとに担当する文献と箇所を決め,担当者は担当回までに要約と論点を準備します。提示された論点について,他のゼミ生がコメントし,討論に入ります。
 後期は,3年生各自が卒業論文で取り上げるテーマについて,毎回担当者が文献・ 資料調査や実地調査等の経過報告を行う実習型とします。
 ゼミ生の要望があれば,長期休暇中に研修を行うことも検討します。ただし,学外で授業を行う科目が増え,ゼミ生の負担も増えそうですので,決して無理には行いません。
 4年生には,報告義務を免除する代わりに,卒業論文作成への専念を要請します。卒業論文については,完成時に後輩へ発表・公開してもらいます。また,毎回のゼミにはきちんと出席し,後輩への助言等も行うことが期待されます。
・日程
 前期の文献講読は,遅くとも1ヶ月で1冊というペースを計画していますが,文献の難易度によって調整します。
 後期のペースについては,人数と卒業論文のテーマを考慮して決めます。最低でも4回は中間報告を行ってもらう段取りを考えています。おおよその流れは,下記の通りとなります。
○卒業論文で取り上げるテーマと,研究方針の提示。
○適宜修正を加えながら中間報告を行い,ゼミ論文の骨格を形成。
○卒業論文の下地となるゼミ論文を執筆(最終回で要旨を発表)。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 割り当てられた責務を果たし,積極的に対話に参加する姿勢や,不明な点を教員や先輩へ素直に尋ね,資料収集も積極的に行う熱意が望まれます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 他のメンバーの報告や発言を聞き流すのではなく,メモをとるなりして各回の議論を振り返り,自分の考えをまとめ直して下さい。
 卒業論文に必要な文献については確実に揃え,それらの内容を理解するとともに,他のメンバーへのプレゼンテーションも意識して,メモをとるよう心掛けて下さい。

【成績の評価】
・基準
 前期は,知識の修得および理解の度合いを講読文献報告レジュメの完成度で,主体的な参加および汎用的技能の修得の度合いを質疑応答で評価します。基準は,①講読文献の内容の正確な理解,②不明な点を恥じることなく尋ねたり,そうした質問へ真摯に答えたりする姿勢の有無の2点です。
 後期は,知識の修得および理解の度合いを複数回の中間報告で,主体的な参加の度合いを質疑応答で,汎用的技能の修得の度合いを最終報告書で評価します。基準は,①自身が設定した卒業論文のテーマのため,積極的に文献・資料収集等を行っているか,②他のメンバーへ建設的な助言を与えるなど,協調的であるか,③卒業論文の下地となる最終報告書において,それらの成果を論理的に文章化できているかの3点です。
・方法
 前期は,講読文献の報告レジュメの完成度を60点満点で評価するとともに,質疑応答への積極性を40点満点で評価し,両者を合算して成績とします。
 後期は,中間報告の完成度を20点満点,質疑応答の積極性を20点満点,最終報告書の完成度を60点満点で評価し,三つを合算して成績とします。

【テキスト・参考書】
 前期の講読文献は,オリエンテーションまでに決定したいと考えています。
 公共部門に限らず,民間部門志望者にとっても有益な文献を選定するよう努めます。
 また,各自の卒業論文のテーマによって,後期の必読文献は異なりますので,テーマ発表や中間報告の進捗に応じて指定します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 他のゼミ生の発言に耳を傾け,自分の考えを客観的に見直す姿勢を大切にして下さい。
 また,具体的内容は演習で説明しますが,肯定的意味での要領の良さや,各種マナーも身に付けるよう心掛けて下さい。
・オフィス・アワー
 ゼミ生の質問は,いつでも受け付けます(水曜日の12時30分から14時までがオフィスアワーです)。ただ,不在の場合もあるので,メール等で予約してもらう方が確実です。

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