経済学史演習
 Seminar on History of Economic Thought
 担当教員:下平 裕之(SIMODAIRA Hiroyuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期・後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
市民協働社会の経済思想-その歴史と現在-
最近多くの国や地域で、NPO・社会的企業などの市民主体の民間非営利セクターが急速に拡大しています。これは、従来の政府(行政)が国民の幸福や安全に関わる諸政策を一元的に管理する制度から、市民が協働しながら諸問題に対応していく新たな社会を構築していく制度への転換を示していると考えられます。この演習では私たちにとって身近な社会福祉とまちづくりの問題を中心に、市民協働社会のあり方を考える経済思想や理論を考察することを目的とします。

【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は、
(1)テキストの輪読と報告を通じて市民協働社会のあり方を考える経済思想や理論を考察する力を身につけることができる【知識・理解】
(2)卒業論文・卒業研究の準備を通じて、習得した知識を生かす思考力と表現力を実践することができる【技能】

【授業概要(キーワード)】
市民社会 民間非営利セクター NPO 福祉 まちづくり

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この演習は、民間非営利セクターに関するテキストの輪読や卒業論文・卒業研究の準備を通じて、市民協働社会の経済思想について主体的に考察する能力を身につけるものである。(人文社会科学部地域公共政策コースのカリキュラムポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
03.すべての人に健康と福祉を
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを

【授業計画】
・授業の方法
テキストの指定された箇所の報告および質疑応答、卒業論文・卒業研究作成準備の報告および質疑応答が中心となる。
・日程
第1回 イントロダクション
第2回 社会的企業に関する書籍の輪読(1)社会的企業の定義
第3回 社会的企業に関する書籍の輪読(2)社会的企業の基礎理論
第4回 社会的企業に関する書籍の輪読(3)欧米の社会的企業
第5回 社会的企業に関する書籍の輪読(4)日本の社会的企業
第6回-第9回 第2回-第5回の講義をもとに、福祉・まちづくりに関する実践例についてのグループワーク
第10回 まちづくりに関する書籍の輪読(1)日本の地域社会の抱える問題
第11回 まちづくりに関する書籍の輪読(2)まちづくり・地域づくりの歴史
第12回 まちづくりに関する書籍の輪読(3)まちづくり・地域づくりの実態
第13回-第15回 第10回-第12回の講義をもとに、卒業論文・卒業研究テーマ選択に関するグループワーク

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表を必ず1回以上担当する、適切な要約を作成する。グループワークの際には主体的に参加・発言する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)発表担当者は事前に指定された箇所を読み、その内容がわかるように適切に要約する。わからない用語等は必ず調べる。
(2)発表担当者以外も質問に答えられるように該当箇所を読んでおく。
報告された要約を読み直し、重要な部分は再度テキストと照らし合わせて理解を深めておく。

【成績の評価】
・基準
毎回の演習の発表および卒論作成過程において、知識の修得、参加の度合い、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)のそれぞれについて判定し、その合計点を用いて評価する。評価基準は(1)毎回の演習参加・報告により、主体的な参加姿勢を身に着け、到達目標に記載された知識を修得し理解すること、(2)卒業論文・卒業研究の準備過程において、修得した知識を用いて論理的思考に基づいた文章作成能力を身につけることであり、これらが合格の基準となる。
・方法
研究発表の内容 50点、学習活動の積極性等 30点、平常点 20点、計 100点

【テキスト・参考書】
参考書
山本隆編『社会的企業論―もうひとつの経済』法律文化社.
小田切徳美『農山村は消滅しない』岩波新書.
藻谷浩介『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』角川新書.

【その他】
・学生へのメッセージ
学生のみなさんの積極的な参加を期待します。
事前にあるいは平行して経済思想および経済学史の講義を履修していることが望ましい。
・オフィス・アワー
毎週月曜日 9:30~11:30 下平研究室(人文社会科学部3号館8階)
それ以外の時間についても、事前に連絡をいただければ対応します。

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