【授業の目的】
複雑に多様化する現代社会の根底にある経済構造に対する理解を深めるために,経済原論1で取り上げた資本主義経済の基本モデルに対する様々な見解を取り上げ,市場を通した社会の再生産の,生産や市場機構,あるいは経済の発展に関する基礎的な知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
1)利潤率をめぐる資本間の競争の態様とそれを支える市場機構(信用,商業資本等)をを適切に説明できるようになる。【知識・理解】【技能】 2)19世紀末以降の資本主義経済の変化(大株式会社等)や戦間期に生じた,現代にも通じる資本主義経済の大転換(管理通貨制度への移行等)を適切に説明できるようになる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
貨幣の通用力,多様な労働,金融資本,法人資本主義
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は,現代社会の物質的土台の課題を明らかにする経済学の体系の中で理論的基礎を提供し,諸課題を経済学体系の中に位置付ける論理的思考能力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部社会科学科のカリキュラム・ポリシー)。 なお,本授業を受講する前に,経済原論1を受講しておくことが望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 05.ジェンダー平等を実現しよう 08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
スライドでテキスト解説します。配付資料を配り,冒頭でポイントを2点確認します。解説の後,ポイントに対応した確認問題を実施しますので,レスポンスカードにその回答と質問・感想等を記して貰い,回収します(次回冒頭で回答)
・日程
ガイダンス I.商品の流通と生産に関する考察 貨幣の通用力,生産的労働とケア労働,資本蓄積-諸説の検討 II.市場機構に関する考察 生産価格,地代,商業資本,擬制資本-株式, III.資本主義経済の発展に関する考察 金融資本,株式会社と経営者支配,戦前日本の株式会社,法人資本主義 まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義資料の該当箇所に重要な点,わからない点をマークする。確認問題があれば,解いてみる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
3つの単元,テーマ毎のまとめシートの提出を念頭に講義に臨むこと。テキストと事前にアップロードされた講義スライドに目を通しおく(授業ではテキストのすべては解説しない)。 確認問題に再トライして解けなければ,まずパワーポイントのスライド資料を読み直す。それでも解けなければ,テキストを読み直す。
【成績の評価】
・基準
知識の修得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いを,毎回の確認問題および単元毎のまとめシートを用いてみる。
・方法
毎回の確認問題等レスポンスカードの提出約4割,まとめシート約6割の割合で相対評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト;日高普『経済学』岩波全書,1988。 参考書;宇野弘蔵『経済原論』岩波文庫.2016/山口重克『経済原論講義』東京大学出版会,1985
【その他】
・学生へのメッセージ
市場で行動する個人,企業の無規律な動きに焦点を当てる経済原論は,単純に「市場の失敗」を問題にしているのではなく,市場が人々の意識や行動に与える影響に着目しています。
・オフィス・アワー
月曜日13:00-14:00。人文2号棟3階研究室にて。その他の場合は事前に連絡下さい(連絡先yasuda#human.kj.yamagata-u.ac.jp,#を@に)。
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