経済学史b
 History of Economic Theory b
 担当教員:下平 裕之(SHIMODAIRA Hiroyuki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
この講議では経済学の歴史を学んでもらうのですが,なぜ「歴史」なのでしょうか。経済学は今日,経済現象の諸側面を抽象化し普遍的・論理的な形で扱う科学の一分野として成立していますが,一方で余りにも抽象的であるとか,非現実的であるなどの批判も聞かれます。しかし経済学は決して机上の空論ではなく,特定の時代の現実の経済の抱える諸問題と取り組む中から生まれてきたものであり,そういう意味で私達の生活に密接にかかわる学問でもあるのです。この講義は,経済学と現実の経済との結びつきおよび経済理論の発展の流れを,過去の歴史を振り返りながら確かめてもらうことを目的としています。この講議では、19世紀後半から20世紀前半にかけての経済学の歴史を学びます。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、それぞれの時代の経済学について、
(1)それがどのような歴史的背景の中から生まれて来たのかを理解できる【知識・理解】
(2)説明すべき現象の変化と共に分析手法がどのように変化していったのか,これらの問題を自分で考えることができる【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
新古典派経済学 マーシャル シュンペーター ケインズ

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、主要な経済学説を歴史・理論・政策の観点から把握することを通じて、経済学の発展とその歴史的意義を理解する能力を身につけるものである。(人文社会科学部地域公共政策コースのカリキュラムポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
各時代を代表する経済理論を取り上げ、その理論が生まれた歴史的背景、理論の内容、政策提言について解説する。
・日程
1 イントロダクション
2 古典派経済学の問題点
3 新古典派経済学の誕生
4 新古典派経済学(均衡理論)の歴史的特徴
5 A.マーシャルの国民所得論
6 マーシャルの賃金論
7 マーシャルの有機的成長論
8 A.C.ピグーの厚生経済学
9 ピグーの厚生経済学に関する基本原理
10 J.A.シュンペーターの企業家論
11 シュンペーターの景気循環理論
12 J.M.ケインズの雇用理論と歴史的背景
13 ケインズの有効需要論
14 ケインズの投資決定理論
15 まとめと試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
プリントは学生が受講しながら自分で空欄を補足する箇所を設けてある場合があるので、その際には適切な補足を行う。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)(予習)図書館等で参考文献の該当箇所に事前に目を通しておく。
(2)(復習)ノート、プリントを整理し、次回授業開始時の復習に備える。

【成績の評価】
・基準
授業後の復習チェックシートと記述式試験により、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)のそれぞれについて判定し、その合計点を用いて評価する。復習シートによりそれまでの授業における歴史的背景や理論分析の理解度を確認し、記述式試験によりそれらの知識を総合的に理解し説明できるかどうかを合格の基準とします。
・方法
平常点(復習チェックシート提出) 30点、試験 70点、計100点

【テキスト・参考書】
適宜プリントを配付する。
(参考書)
早坂忠編著『経済学史』ミネルヴァ書房
田中敏弘・山下博編『テキストブック近代経済学史』有斐閣ブックス
美濃口武雄『経済学説史』創成社
八木紀一郎『経済思想』日経文庫

【その他】
・学生へのメッセージ
この講義を受ける人は経済学史aを履修していることが望ましいですが、この講義のみ履修することも可能です。経済学の基礎知識がない学生でも受講できるよう、数式等の使用は行わず理論の本質的部分を中心に説明します。また必要な歴史的背景についても講義中に説明します。
・オフィス・アワー
毎週月曜日9:30~11:30 下平研究室
これ以外の時間についても、事前に連絡をいただければ対応します。

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